「できそこない」の町?

UnKnown「三河島椎名町が消えたわけ」https://kawada0zo.hatenablog.com/entry/20180805/p1


椎名町」という西武池袋線の駅はあるけれど、「椎名町」という地名は既にない*1。現在は、豊島区長崎と豊島区南長崎である。「椎名町」が消えたのは悪名高い「住居表示」開始のせいなのだが、帝銀事件のせいで消えたという説も流布しているようだ。それはないだろうとは思うのだけど、読売新聞社編『東京新地図』という本が引かれている。1968年に上梓されたというこの本によれば、「椎名は秕(しいな)、つまり、みのりの悪いコメに通じ、それから転じて"シイナ野郎"といえば"できそこないメ"というわけだが、そういう軽蔑イメージがいやだ、それで消されてしまった」のだという。知らなかった。「秕」という言葉も知らなかったし、実は椎名町生まれの人を何人か知っているのだけど、その人たちからこういう話が出たこともなかった。1960年代、或いは(椎名町の)トキワ荘手塚治虫藤子不二雄が住んでいた1950年代には「秕」という言葉は誰もが知っていて、椎名町の関係者は皆それで肩身の狭い思いをしていたということなのだろうか。また、地名ではなく苗字だけれど、椎名誠*2はその苗字故にいじめられたことがあったのだろうか。

消える/消えない

Jami Ganz “Tommy Lee shares full-frontal snap all over social media” https://www.nydailynews.com/snyde/ny-tommy-lee-full-frontal-picture-20220812-yekvkkpdozamzowlmpqge2ipnu-story.html
Rhona Shennan “Tommy Lee: did musician upload a naked picture to Instagram and Twitter? How did wife Brittany Furlan respond” https://www.nationalworld.com/news/people/tommy-lee-did-musician-upload-naked-picture-instagram-twitter-how-did-wife-brittany-furlan-respond-3803040
Lauren Anderson “Tommy Lee’s Wife Brittany Furlan Responds to the Penis Picture He Posted on Twitterhttps://www.cheatsheet.com/entertainment/tommy-lees-wife-brittany-furlan-responds-penis-picture-posted-twitter.html/


モトリー・クルー*1のドラマー、トミー・リーが8月11日、インスタグラム、フェイスブックツィッターで、自らの正面全裸写真をシェアした。インスタグラムとフェイスブックの投稿は既に削除されてしまったが、ツィートの方は13日の時点でまだ残っている。炎上というべきか大バズりが起こり、トミー・リーの妻、ブリタニー・ファーランも参戦するに至っている。インスタグラム/フェイスブックツィッターの差は何なのだろうか?

さて、かなり前(2015年)の話になるが、インスタグラムでは、陰毛、それも大っぴらな露出ではなく、下着や水着からちょこっとはみ出てしまったという感じの露出に対して、神経質な検閲が行われているといことが問題になったことがあった(1980年代の日本の警察権力か!);


Jessica Valenti “Is women's visible pubic hair really so shocking that it must be censored?” http://www.theguardian.com/commentisfree/2015/jan/23/women-visible-pubic-hair-shocking-censored *2


また、同じ頃、ファッション界では、男性器露出が流行っていることが話題になっていた;


Thomas Gorton “Models bare their penises at Rick Owens” http://www.dazeddigital.com/fashion/article/23336/1/models-bare-their-penises-at-rick-owens
Hannah Marriott “Penises on the fashion catwalk – a flesh flash too far? “ http://www.theguardian.com/fashion/2015/jan/22/-sp-penis-flashing-at-rick-owens-menswear-show  *3


さらに、男性器を含む鷹野隆大の写真作品が警察の検閲の対象となったのは2014年のこと*4


Ben Blanchet “Tommy Lee's Fully Nude Social Media Post Makes Users Question 'Double Standards'” https://www.huffpost.com/entry/tommy-lee-nude-instagram_n_62f5e7b3e4b0da517ef73e44


今回のトミー・リー全裸事件を契機に、SNSにおけるわいせつ検閲の「ダブル・スタンダード」の問題が提起されているという。


ところで、トミー・リーといえば、1995年に当時結婚していたパメラ・アンダーソンとのセックス動画が流出するという事件が起きていたのだった。

「話せず」!

J Oliver Conroy “Blood and terror: witnesses tell of attack on Salman Rushdie at literary festival” https://www.theguardian.com/books/2022/aug/12/rushdie-attack-book-festival-scene-chautauqua-ny
Sam Cabral & Matt Murphy*1 “Salman Rushdie: Author on ventilator and unable to speak, agent says” https://www.bbc.com/news/world-us-canada-62528689
Ed Pilkington, Maya Yang and Sam Levin “Salman Rushdie on ventilator after being stabbed onstage at New York state event” https://www.theguardian.com/books/2022/aug/12/salman-rushdie-attacked-onstage-new-york


現地時間7月12日、作家のサルマン・ラシュディ*2は、ニューヨーク州のショータワクヮ・インスティチューション*3で開催されていたショータワクヮ夏季藝術祭で講演のために演壇に上がろうとしたところ、突然男にナイフで数回に亙って刺され、病院に搬送された。彼は人工呼吸器を装着し、声を発することのできない状態であるという。
犯人のHadi Matarはその場で取り押さえられた。彼はニュージャージー州在住で、24歳。
サルマン・ラシュディということで、イスラーム主義者か? という推測は出てくるけど、Hadi Matarの背景等についての情報はない。
See also


Maya Yang “‘This is shocking’: writers and celebrities horrified by Salman Rushdie attack” https://www.theguardian.com/books/2022/aug/12/salman-rushdie-attack-reaction-journalists-writers-celebrities


五十嵐一*4が殺されたのは1991年のことだった。

正恩感染?

Francesca Gillett*1 “North Korea leader Kim Jong-un 'suffered fever' during Covid outbreak, says sister” https://www.bbc.com/news/world-asia-62501152


今年5月に北朝鮮で新型コロナウィルス(オミクロン株)の感染が拡大しているということが報じられた*2。8月になって、金与正*3は、自らの兄、金正恩北朝鮮「のコロナ(Covid)に対する戦いへの勝利を宣言した」と語り、また兄正恩が自ら「発熱」を患ったと述べ、金正恩のコロナ感染を示唆しつつ、最後はお約束の如く韓国を非難してみせた。
ところで、私を含めて、多くの人が勘違いしていたのかも知れない。北朝鮮関係者が一方的に感染が拡大したとか、終息したと言っているだけで、PCRの陽性率がどのくらいだったとか、陰性率がここまで上がってきたので終息と言えるといった、根拠は一切伴ってなかったのだ。そもそもコロナ特有の症状というのも存在しない。発熱や咳といった風邪のような症状が出現し、その中の一部の人が重症化し、肺炎を起こしたり、呼吸困難になったりして、死に至ってしまう人もいる。それらがコロナのせいだと言えるのは、PCR検査などによって陽性反応が出て、新型コロナウィルスの感染が推定された限りにおいてである。
つまり、コロナが北朝鮮領土、さらには金正恩の身体に侵入し得たかどうかは依然として未確定なのでは?

神としての清正

島弘之*1「神様になった武将」https://kasinoki1957.hatenablog.com/entry/2022/08/12/121113


加藤清正*2が「清正公大神祇」として、多くの日蓮宗の寺に祀られていること。
清正信仰については、


藤西大輔「清正公信仰の研究――近世・近代の「人を神に祀る習俗」――」(熊本大学博士論文)https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/jouhoukoukai/gakuironbun/bungaku_kou/bungaku_kou_file/bungaku_kou30sinsa.pdf

Pulp Nonfiction


これを紹介したnesskoさん曰く、「はじめはフェイクかと疑ったりしたけど、調べるとほんとうにあるのね」*1
それも決して珍しい木ではない。製紙用のパルプの原料として植樹されている。日本でも比律賓産のパルプに由来する新聞や本は多いに違いないけれど、比律賓産のパルプは殆どこの「レインボーユーカリ」から作られているらしいのだ*2
クエンティン・タランティーノの映画*3を意識しなかったわけではない。

中井久夫

最初に本ノ猪さん*1のツィートで知った。


みすず書房のツィート;
朝日新聞』の記事;

精神科医中井久夫さん死去 阪神大震災で被災者の精神的ケアに尽力
8/9(火) 12:30配信



朝日新聞デジタル

 詩の翻訳やエッセーの文筆家として知られ、阪神大震災では被災者の精神的なケアに尽力した精神科医で神戸大名誉教授の中井久夫さん*2が8日、死去した。88歳だった。

 奈良県生まれ。京都大医学部を卒業後、名古屋市立大助教授を経て、1980年に神戸大の教授になった。95年の阪神大震災の際は精神科医同士の連携に奔走。2004年には兵庫県こころのケアセンター長に就任し、被災者の心的外傷後ストレス障害PTSD)への対応に当たった。

 ギリシャの詩人の全作品を翻訳した「カヴァフィス全詩集」で読売文学賞(研究・翻訳賞)、医師としての日常などをつづったエッセー集「家族の深淵」で毎日出版文化賞を受賞した。13年には文化功労者に選ばれた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/40da70e47e9c9e17c34e30291ae0914e8710db72

神戸新聞』の記事;

2022/8/9 19:00神戸新聞NEXT

精神科医で神戸大名誉教授、中井久夫さん死去 阪神・淡路大震災で精神的ケアに尽力


 阪神・淡路大震災などの被災者の精神的なケアに尽力し、文筆家としても多くの業績を残した精神科医で神戸大名誉教授、文化功労者中井久夫(なかい・ひさお)さんが8日午前11時5分、肺炎のため神戸市の介護施設で死去した。88歳。奈良県出身。自宅は神戸市。

 葬儀・告別式は近親者で行い、供花、弔電は辞退する。喪主は長男伸一(しんいち)氏。

 京都大卒。東京大などを経て1980年、神戸大医学部教授に。統合失調症研究の第一人者で、先駆的な診療法で高く評価された。

 95年の阪神・淡路大震災では、被災者の心のケアの必要性を早くから訴え、支援体制の構築や支援者の育成に注力。2004年に心的外傷後ストレス障害(PTSD)の研究や治療、相談などに当たる全国初の施設「兵庫県こころのケアセンター」が開設され、初代センター長に就任した。

 1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件の遺族らとも関わり、犯罪や災害の被害者らの心理的な回復を支える「ひょうご被害者支援センター」理事長として活動。甲南大教授も務めた。

 90年から2012年まで本紙でコラム「清陰星雨」を執筆。歴史や文化を巡る高い見識に基づき、政治や戦争をはじめとする幅広いテーマに深い洞察を示し、無名の人々に温かいまなざしを向けた文章は多くの人の共感を呼んだ。

 阪神・淡路の直後の医療現場や患者らの苦難をつづった「災害がほんとうに襲った時」や「中井久夫著作集」など著書多数。米国の精神科医サリヴァンやフランスの詩人ヴァレリーの訳書、ギリシャ文学の翻訳も手がけた。

 著書「家族の深淵」で毎日出版文化賞。01年兵庫県社会賞。13年文化功労者
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202208/0015540450.shtml

中井久夫という名前を知ったのは『分裂病と人類』という本だった。この本が中井先生の精神医学の中でどのような理論的意味を有するのかは詳らかではないが、中井久夫という名前が精神医学というコミュニティの外部で知られるようになった契機はこの本だったのではないか? 私の場合も山口昌男(『流行論』*3)がプッシュしていたので、読んだわけだし。

さて、斎藤環*4曰く、

*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/07/21/112304 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/08/21/011053 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/06/08/094824 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/04/05/140910 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/04/14/140523

*2:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E4%BA%95%E4%B9%85%E5%A4%AB See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080109/1199847126 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080111/1200015423 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090312/1236788552 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090706/1246906032 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100212/1265948020 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100820/1282279524 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110329/1301416317 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110807/1312715074 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131121/1385003012 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20131206/1386267332 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20131231/1388455834 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20151228/1451281770 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160226/1456453149 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/07/02/094147 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/07/05/101121 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/07/17/014835 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/07/18/145109

*3:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160226/1456453149

*4:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20060116/1137440431 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070325/1174834138 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20080408/1207644864 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20101204/1291472573 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20130321/1363866985 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20130325/1364181903 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20130425/1366904278 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20130905/1378386198 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20131028/1382977158 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20131112/1384222612 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20131120/1384914970 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140801/1406861554 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/06/08/073850 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/07/132807 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/01/16/173333 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/01/18/143133 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/01/21/105443 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/05/27/161918 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/06/08/115154 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/09/26/163330