「戦」には至らず

承前*1
『毎日』の記事;


愛知県議会:美術館写真展作品 「わいせつ」めぐり論戦

毎日新聞 2014年12月09日 09時50分


 愛知県美術館で8〜9月に開催された写真展に鷹野隆大さんが出品した男性性器が写っている作品をめぐり、県警が「わいせつ」と指導し作品の一部が布や紙で覆われた問題が8日、愛知県議会12月定例会の一般質問で取り上げられた。

 今後の展示に関する判断について、木岡保雅県警本部長は「法と判例に照らし対処する」と基本原則を説明したのに対し県美術館を所管する寺沢義則県民生活部長は「わいせつ性の問題に限らず、萎縮して自主規制することも、逆に挑戦的になることもなく美術の多様な価値観を大切にし、県民に鑑賞する機会を提供したい」と答弁した。

 柏熊光代県議(民主)*2は「ヘアヌードがあふれている現代に、性器が見えているからといって即、『わいせつ』だとするのは乱暴で時代遅れ」と指摘し、県警本部の見解などをただした。

 この問題は、県警愛知署に通報された1本の匿名電話をきっかけに、警察が芸術活動に介入。県美術館は、展示室を仕切るなど措置を講じていたが、県警から性器の写った作品の「撤去」を求められたため、布などで覆って「変更した事実が見える展示」(鷹野さん)で継続された。

 県議会で芸術論戦は深まらなかったものの、県美術館の“前向き”な姿勢はにじんだ。【山田泰生】
http://mainichi.jp/select/news/20141209k0000e040146000c.html

「論戦」とはいうけれど、記事から判断する限り、「戦」はまだ起こっていない。また、「わいせつ」とは何かということよりも、警察の「介入」の「きっかけ」が「1本の匿名電話」だったということの方が問題だと思うのだ。勿論、こうした事柄が議論・追及されないよりもされた方がいいということはいうまでもないのだが。