「ヤンキー」から在特会へ?

http://blog.goo.ne.jp/konotawake/e/4e08cffb562508f453a18eb42dcd0a4f


「排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会」(参議院会館)での安田浩一氏と鈴木邦男氏の発言。安田氏の方は、主語を「在特会*1から北朝鮮に替えてもそのまま意味が通じてしまいそうなところが興味深い。
ところで、在特会の勃興或いは「在特会」的なものの蔓延というのは「ヤンキー」の衰退と関係があるかも知れない*2。「ヤンキー」の勝利を嘆いている方もいるようだが*3、「在特会」というのが寧ろ「ヤンキー」敗北の効果だとしたら? 1960年から70年代にかけて、「ヤンキー」*4は〈チョーセン〉と戦争状態にあった。それは映画『パッチギ!*5にも描かれている通り。まあ国士舘との抗争とかを除けばマス・メディアが報じることはなかったが、70年代に中学生や高校生だった人ならば、ふにゃらら高校の誰々が京成電車の中で〈チョーセン〉に捕まってぼこぼこにされたとか、逆に〈チョーセン〉の誰々をリンチしたとかいう話を直接的・間接的に聞いたことがあるのではないか*6。1990年代に入って、北朝鮮が何か悪事を働くと、そのとばっちりで、朝鮮学校の生徒が日本人に襲撃されるというようなことが起こるようになった。これは「ヤンキー」的な常識ではありえないことだろう。〈チョーセン〉というのは何よりも強かったのだから。「ヤンキー」と〈チョーセン〉との〈戦争〉が何時の間にかに終わって、到来したのは平和ではなかったということだ。代わって、〈チョーセン〉(及びその他のマイノリティ)が対峙しなければいけなくなったのは「在特会」的な、幼稚化した自称〈一般市民〉の暴力だったということになる。

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*1:See also See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091006/1254857703 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091007/1254924507 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091009/1255033275 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091220/1261285960 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100128/1264675935 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100326/1269582083 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100409/1270741056 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110308/1299580651 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110731/1312120441 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110731/1312120441

*2:勿論これは日本の地域社会や経済構造の変化と結び付いている。See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090702/1246567126 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100219/1266560714

*3:例えば斎藤環氏。http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130317-00013068-toyo-bus_all See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130321/1363866985

*4:何度もいうようだが、その頃関東(東京圏)では「ヤンキー」という言葉は米国人を意味しただけで、髪の毛をリーゼントにしたようなにいちゃんはツッパリと呼ばれていた。

*5:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060305/1141541736 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070525/1180057355 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091019/1255884330 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100129/1264776284 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100626/1277547284 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110716/1310789946 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110928/1317149925

*6:これには地域差があるかも知れない。20代の頃、宮城県農村部の元ツッパリ少年と知り合ったことがある。彼は(今考えれば)これは少年非行というよりも凶悪犯罪だろうという類の話を初め、色々と(多分かなり尾鰭がついているのだろう)武勇談をしてくれたが、そこに〈チョーセン〉は入ってこなかった。思うに、朝鮮学校があるのは都市部なのだった。