最初に「社会的」があった?

NHKの報道;


「ひきこもり」の表現 “社会的距離症候群”に変更を 専門家
2021年9月26日 12時25分


「ひきこもり」の人たちへの支援について考えるセミナーが大阪 泉佐野市で開かれ、参加した専門家は、「ひきこもり」という表現についてほかの人との心理的な距離がある状態を反映していないとして、変更するべきだと提言しました。

このセミナーはひきこもりの人たちを支援しているNPO法人が開き、行政の担当者や当事者の家族などおよそ150人が会場やオンラインを通して参加しました。

この中で、ひきこもりの実態に詳しい山口大学大学院の山根俊恵教授*1は、新型コロナウイルスの影響でひきこもりの人たちが行政の窓口などで相談できる機会が減っているとしたうえで、コロナ禍でも相談できる体制を確保することが重要だと指摘しました。

そして、山根教授は、「ひきこもり」という表現によって室内に閉じこもっているというイメージが広まっているものの、実際には買い物などで外出する人も多いとして、ほかの人と心理的な距離があることを表す、「社会的距離症候群」という呼び方を代わりに使うべきだと提言しました。

セミナーを主催した「NPO法人精神医療サポートセンター」*2の田邉友也代表理事は、「『ひきこもり』の問題はなかなか正しく理解されていないが、それぞれの立場の人たちができる支援の在り方を考えて連携しながら質の高い支援を届けたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210926/k10013277111000.html

「 社会的距離症候群」の「社会的距離」を片仮名言葉に直せば、コロナ禍において社会的に推奨されてもいる「ソーシャル・ディスタンス」*3になるというのはちょっとアイロニカルではあるけど、少なからぬ人が「ひきこもり」問題を知ることになった斎藤環氏の本のタイトルは『社会的ひきこもり』だった。つまり、最初から問題が「社会的」に関わるということは自覚されていた?