ハーブ・ティーなど

承前*1

Rachel Schraer and Wanyuan Song “North Korea: Fighting Covid with traditional medicine” https://www.bbc.com/news/61508440


北朝鮮は新型コロナウィルスをどんな武器で迎え撃とうとしているのか?
上の記事によれば、現在北朝鮮の官製メディアが推奨しているのは、先ず生姜茶や柳葉茶*2スイカズラ茶などのハーブ・ティー。これらは、喉の湿気を補うとともに、コロナの症状としての喉の痛みや咳を緩和する効果がある。
また、塩水による嗽。嗽が普通の風邪に効果があることはわかっているが、新型コロナウィルスの拡散速度を遅くするというエヴィデンスはあまりない。嗽だと、ウィルス感染経路としての鼻は無防備である。また、ウィルスが一旦喉の奥に到達してしまえば嗽をしても無駄である。
北朝鮮のメディアはイブプロフェンのような鎮痛剤、アモキシシリン*3のような抗生物質の使用も推奨している。抗生物質はそもそも細菌性の病気に使用すべきものであり、ウィルス性の病気に使用すると、耐性菌を増殖させるリスクがある。
まあ、唐突だけど、あの田中宏和*4を吊るし上げることにする。


インフルエンザには検査と診断があるではないか。タミフルがあり、ワクチン予防もあるではないか。騙されるな。インフルエンザはコロナと同じではないのである。発熱した、咳が出る、インフルエンザに罹ったかもしれないと思ったとき、人は健康保険証を持って内科医に受診に行く。そこで検査を受け、陽性なら治療薬を処方される。風邪なら抗生物質をもらって帰る。医療を受けられる。橋下徹黒岩祐治のコロナ対策、それが現実に施策発動された今回の厚労省の通達はそうではない。医療の提供はしないから自己責任で治せと言っている。
(「「インフルエンザと同じ」のウソ – 死屍累々と座視等閑の2月」https://critic20.exblog.jp/32462418/
まともな医者なら「風邪」の患者に抗生物質を積極的に処方するということはない。多くの場合、患者側が抗生物質を強く希望し、それに屈して処方しているのだ*5抗生物質を処方してくれなくて、医者にねちっこくクレームをつける田中の姿を想像してしまった。でも、抗生物質は風邪やインフルエンザには無効でも、プーチンのケツなめには有効なのかも知れない。
BBCの記事に戻ると、重症段階で必須となる血中酸素濃度を測定するパルスオキシメーターや人工呼吸装置についての言及はない。
See also


Justin McCurry “North Korea promotes traditional medicines in bid to fight Covid outbreak” https://www.theguardian.com/world/2022/may/19/north-korea-promotes-traditional-medicines-in-bid-to-fight-covid-outbreak