酒宴の終わり

Matt Murphy “Whisky Wars: Denmark and Canada strike deal to end 50-year row over Arctic island” https://www.bbc.com/news/world-europe-61801682
Peter Beaumont “Canada and Denmark end decades-long dispute over barren rock in Arctic” https://www.theguardian.com/world/2022/jun/14/canada-denmark-end-decades-long-dispute-barren-rock-arctic-hans-island


カナダと丁抹グリーンランドと(カナダ領)エルズミーア島*1の間にあるハンス島*2という小さな無人島の領有権を巡る、「ウィスキー戦争」*3と呼ばれる国境紛争を行なってきたが、この度、この島を両国が分割して領有するということで、手打ちになることが決まった。「ウィスキー戦争」というのは、この紛争が一方の国の軍隊が島に上陸して国旗を立てて酒を置く、次いでもう一方の国の軍隊が相手の国旗を撤去して自国の酒を置くという仕方で行なわれてきたことから命名された。これは、1984年から始まったようだけど、どちら側が最初に仕掛けたのかはソースによって区々だ。BBCに従えば最初にウィスキーを置いたのはカナダだけれど、『ガーディアン』の記事によれば、丁抹が最初にシュナップスを置いたことになる(同紙によれば、カナダが置いたのは「ウィスキー」ではなく「ブランディ」)。基本的には平和な「戦争」であったけれど、一時はカナダにおいてデニッシュという菓子パンの名前をボイコットする動きも現れた。
グリーンランド丁抹領ではあるが、地理的にはヨーロッパよりも寧ろ北米に近いのだった*4