ソロの時代 - Living, Loving, Thinking, Again

nessko「ジャニー喜多川氏の性加害を認定／外部専門家チーム、社長は辞任を」https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2023/08/31/093244

これは東山紀之が社長になる直前の話*1。

テレビ局も各局声明を出してますね。ジャニーズ事務所＝テレビなんだなあ。小林信彦『テレビの黄金時代』などによると、かつては渡辺プロがジャニーズ事務所的な立場にあったそうですね。
　今回の件は、テレビ業界斜陽と重なって見える。いずれ本が書かれるのだろうか。

「渡辺プロ」の話が出ているのだけど、ジャニーズ事務所というのは1975年までは渡辺プロの一部門だったわけだ。渡辺プロの歴史については、30年近く前に軍司貞則『ナベプロ帝国の興亡』を読んだのだけど、このジャニーズ事務所独立の話が語られていたかどうか、思い出せないのだった（汗）。
この独立は、郷ひろみ *2が脱退した直後に行われたわけだけど、その頃のジャニーズ事務所には〈辞めジャニ〉である郷ひろみを潰す力はなかったわけだ。因みに、郷ひろみがジャニーズ事務所にいたということを意識したことというのは殆どなく、BBCの報道を契機として今回の騒動が始まるちょっと前に、Eテレの某番組で、彼が自らのデビューについて、ジャニー喜多川にNHKに連れていかれて、ディレクターとの短い面接の後に大河ドラマ『新・平家物語』の端役が与えられたと語っていたのを見て、この人、ジャニーズだったんだ！　と改めて思ったのだった。
つい最近まで、ジャニーズ事務所は日本のエンタメの世界を圧倒的に支配していた（とされる）。しかし、独立した1970年代にはそんなことはなかった。フォーリーブス *3は1978年頃まであったけれど、70年代後半ははっきり言って衰退期だった。また、この時代、ジャニーズ事務所は女性歌手とも契約し、男女混合のグループもあった。
ところで、ジャニーズといえば、フォーリーブスのような男性のヴォーカル・グループということになるのだけど、どういうわけか、1970年代にはそのようなグループというのはあまり目立っていなかった。この時代の男性アイドルといえば、どうしても「新御三家」と呼ばれた

西城秀樹 *4
郷ひろみ
 野口五郎

だったし、それに続く存在としてジャニーズ事務所が売り出していたのは豊川誕や川崎麻世といったソロの歌手だった。ジャニーズ中興の祖といえるは「たのきん」（田原俊彦 *5、野村義男、近藤真彦 *6）だろうけど、これはキャンペーンのためのパッケージであって、フォーリーブスや（その後の）少年隊等々と同じ意味でグループと言えるものではない。言いたいのは、1970年代（特にその後半部）というのは男性アイドル・グループが視界から消えた時代だったということだ。

ナベプロ帝国の興亡 (文春文庫)

作者:軍司貞則
文藝春秋

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*1:See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2023/09/04/122623

*3:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090201/1233418133 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20141215/1418611806 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171118/1511022569 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180819/1534645586 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/07/10/104400 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/07/20/093313

*5:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20161019/1476851625

*6:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100215/1266254108 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20161101/1477968475 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/10/24/105404 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/10/14/085620