宇能鴻一郎 - Living, Loving, Thinking, Again

『読売新聞』の記事；

芥川賞作家の宇能鴻一郎さん死去、９０歳…官能小説や食に関するエッセーも
9/10(火) 11:41配信

読売新聞オンライン
　芥川賞を受賞し、官能小説でも人気を博した作家の宇能鴻一郎（うの・こういちろう、本名・鵜野広澄＝うの・ひろずみ）さん*1が８月２８日、心不全で死去した。９０歳だった。告別式は近親者で済ませた。
　札幌市生まれ。東大大学院在学中の１９６１年に「光りの飢え」が芥川賞候補となり、翌６２年、漁村の鯨捕りなどを土俗的に描いた「鯨神（くじらがみ）」で芥川賞を受賞。野性的なエネルギーに満ちた作風は、文壇小説の枠を破る才能と評価された。７０年代からは「女ざかり」など官能小説を多く発表した。グルメとしても知られ、食に関するエッセーなども多かった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/91f3886490ab1de07c9840ca62d357c134413daa

ちょうど数か月前に、2022年に発表された近藤サトさんとの対談記事を興味深く読んでいたのだった*2。
蓮實重彦氏*3によれば、宇能鴻一郎というのは「日活ロマンポルノ」を数年間延命させた功労者ということになる（『マスカルチャー批評宣言　物語の時代』）。また、宇能鴻一郎がいなければ橋本治の『桃尻娘』*4もなかったのかどうかという問題も真剣に考えるべきだろう。

マスカルチャー批評宣言〈1〉物語の時代 (1985年) (GS file)

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宇能鴻一郎さんが逝去されました。
芥川賞作家であり、官能小説家としても多くの読者を得ました。
『味な旅舌の旅新版』など食の紀行エッセイも残されています。
ご冥福をお祈りいたします。

「官能がなければ人生はつまらない」
婦人公論にて2022年のインタビューです。https://t.co/Fq2Nrlo1pV
— 中公文庫（中央公論新社） (@chuko_bunko) 2024年9月10日

See also

宇能鴻一郎「「ご経験が豊富なんでしょうと言われましたけど…」官能小説界のレジェンド宇能鴻一郎が生前語った“ポルノを書き続けた理由」https://bunshun.jp/articles/-/73408

*1:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E8%83%BD%E9%B4%BB%E4%B8%80%E9%83%8E See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070207/1170874085 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070904/1188907461 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2024/05/27/015758

*2:宇能鴻一郎、近藤サト「官能がなければ人生はつまらない。〈書かずに読者に想像させる〉美意識に15歳から憧れて」https://fujinkoron.jp/articles/-/5471 「文壇とは付き合わず、取材は受けず、写真も撮らせず、洋館で夜な夜なパーティを。ドラキュラ伯爵のように」https://fujinkoron.jp/articles/-/5475

*4:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090816/1250443444 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/01/30/095719 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/01/31/095604