どちらも読んでいない

棚部秀行*1「緩くつながる6人の旅」『毎日新聞』2020年5月31日


多和田葉子さん*2の『星に仄めかされて』についてのインタヴュー記事。『地球にちりばめられて』(2018)の続編だという。どちらも読んでいないが、取り敢えずメモする。


(前略)デンマークコペンハーゲンに暮らす言語学者の青年クヌートと、母国が消失し北欧を転々としている東洋の女性Hiruko。2人の出会いによって始まった旅と、広がった6人の友人関係は、変質、深化しながら続いている。

「ここに出てくる友達関係は『今一緒に旅行する』くらいで、経済的な必然性や家族という絆、仕事に関係ないつながりなんです。名前のない緩いつながりだから普段は気付かない。だけど、市民社会はそういうつながりからできていると思っています」。そして「今回のパンデミック新型コロナウイルスの世界的流行)で人が集まらないよう制限されると、改めてこのつながりが大事だと実感しました」と述べた。

多人数、多視点の物語にはさらに続編が構想されている。「地球」「星」に続き、「海」がモチーフになる雲行きだ。「3部作になると思って書き始めています。地球にちりばめられたディアスポラ(離散)のイメージは、星から見れば地球全体は違って見えて、海が広く見える。海に行き着きました」。(後略)