大岡昇平から田中小実昌?

先ず、『毎日』の記事;


大岡昇平:文壇デビュー当時、仏映画の字幕翻訳 台本発見

2009年10月28日 19時43分 更新:10月28日 21時14分

 戦後文学の代表的作家、大岡昇平(1909〜88)が、「俘虜記」(48年)で文壇にデビューするころに翻訳したフランス映画の字幕台本が見つかった。

 台本が見つかった映画は、「美女と野獣」(ジャン・コクトー監督、48年日本公開)。東京国立近代美術館フィルムセンター(東京都中央区)が、資料整理中に発見した。台本は縦26センチ、横18センチの紙33枚に縦書きで、タイプ打ちされている。

 フィルムセンターによると、スタンダール研究家としても知られる大岡は得意のフランス語を生かし、48年ごろ映画の輸入会社「フランス映画輸出組合日本事務所」に勤務。字幕の翻訳や宣伝文を担当していたという。

 同センターの岡田秀則主任研究員は「この時代の大岡はあまり語られてこなかったが、今回の発見で、当時の仕事ぶりがはっきり分かる」と話している。

 台本は、来年1月7日から、フィルムセンターで始まる「戦後フランス映画ポスターの世界」展で公開される。【棚部秀行】
http://mainichi.jp/select/today/news/20091029k0000m040037000c.html

たしかに、映画の字幕翻訳家としての大岡昇平については全然しらなかった。
大岡昇平といえば、『事件』*1を読了したのだが、それについては後で。
事件 (新潮文庫)

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翻訳ということで、思い出したというか、ちょっとこの頃気になっていたのがhttp://d.hatena.ne.jp/annntonio/20090923/1253678426で、私より上の世代にとって、「コミさん」といえば、「マリーンズのピッチャー、小宮山悟」というより、『自動巻時計の一日』や『ポロポロ』の作家で、ミステリー翻訳家の田中小実昌さんのことだよな、と思った。ここで、田中小実昌との関わりを〈私小説〉「小実昌さんのこと」に結晶化させた保坂和志は凄いということも記しておかなければならない。
生きる歓び (新潮文庫)

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