「下」が残った - Living, Loving, Thinking, Again

承前*1

「平家末裔の「上時国家」倒壊　輪島」https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1284921

曰く、

能登半島地震で、平家*2の末裔が築いた輪島市町野町南時国の国重要文化財「上時国家（かみときくにけ）住宅」*3が倒壊していたことが分かった。
　１階部分がつぶれ、主屋の厚さ約１㍍に及ぶ豪壮な茅葺（かやぶき）屋根が地面に付いた状態となっている。主屋は約２００年前に造られたとされ、間口２９㍍、高さ１８㍍に達する。金を施した「縁金折上格（ふちきんおりあげごう）天井」など手の込んだ内装や巨大な梁はりが特徴で、２００３年の重文指定の際には「江戸末期の民家の一つの到達点」との評価を受けた。

なお、分家筋に当たる「時國家住宅」（下時国家）*4は倒壊しなかった。

藤田達生「奥能登の旧家・時国家に非農業民の世界を訪ねる【謎解き歴史紀行「半島をゆく」歴史解説編】」https://serai.jp/tour/17099

網野善彦 *5『日本社会再考』から、２つのセンテンスが引用されている――「中世・近世の奥能登が日本海の海上交通の最重要基地として、鉄、鋳物、玖珠焼、塩、炭、そして漆器など多彩な非農業的生産物の広域的な交易を通じて、貨幣的な富に即してはきわめて豊かな一面をもっていた」。「むしろ奥能登が非農業的な生産に関しては、時代の最先端をいく先進地域であったがゆえに、水田についてはある限度以上、開発する必要もなく、中世のあり方を大切に保存したまま、近代、現代にまでいたったとみるのが、おそらく事実に即しているのではなかろうか」。

日本社会再考―海民と列島文化

作者:網野善彦
小学館

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*1:https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2024/01/05/235959 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2024/01/11/115440 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2024/01/12/131330

*2:平清盛の義弟、平時忠。

*3:https://tokikunike.jp/

*4:http://www.tokikunike.com/