「第六天」とは?

『毎日』の記事なり;


<神社盗難>ご神体5体がなくなる 連続盗難の可能性 鎌倉

 3日午前11時ごろ、神奈川県鎌倉市大船の熊野神社本殿内に安置されていた木像「熊野権現坐像(ざぞう)」(高さ28.6センチ)など市指定有形文化財の神体5体がなくなっているのを、清掃に訪れた神社の氏子らが発見した。通報を受けた県警大船署は窃盗事件とみて捜査している。
 調べでは、このほか盗まれたのは、「随身半跏像(ずいしんはんかぞう)」2体(同36センチ)、「狛犬(こまいぬ)像」2体(同18.9センチ)。神社正面の南京錠は施錠されていたが、本殿の裏側の板塀(幅20センチ、高さ60〜70センチ)2枚が外されていた。神社は普段は無人で、石井直樹宮司(51)が元日の賀詞交換会で本殿を開けた時は、5体ともそろっていたという。
 約2キロ離れた第六天でも5月21日、主神「第六天像」など計5体が盗まれる事件が起きている。石井宮司は「びっくりした。第六天で被害にあったのを知っていたが、こちらにも来るとは……」と話している。【稲田佳代】
毎日新聞) - 9月3日21時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060903-00000056-mai-soci

どこでも熊野系の社はやっぱり現在に至るまで神仏習合を堅持していたのかということにも感慨はあるが、まあ犯人には早急に神罰・仏罰が下されることを祈りたい。
最後に言及されている「第六天」については、以下の記事を参照;

窃盗:罰神像5体盗まれる−−鎌倉・第六天 /神奈川

◇神像5体盗むなんて、町内会全員怒ってるぞ
 鎌倉市山ノ内の第六天から主神の「第六天像」(木製、高さ30センチ)と守護神の「四天王像」4体(いずれも木製で、高さ19センチ)の計5体が盗まれていることが分かった。21日朝、清掃に集まった山ノ内上町町内会の会員が発見、届け出を受けた大船署は窃盗事件として捜査している。同町内会長(55)は「罰(ばち)当たりだ。町内会全員が怒っている」と話している。
 調べでは、同町内会の会員が社殿の雨戸が壊され、中に安置されていた5体がなくなっているのに気づいた。
約1・8メートル四方の本殿は正面に雨戸が4枚あり、右端の雨戸のほか、内扉と奥扉も壊されていた。
盗まれた像は年に1度、7月の例大祭の日に数時間だけ開帳する。5体とも江戸時代の作と伝えられているが、詳細は不明という。
 第六天は建長寺鎮守神として置かれたと伝えられている。現在は同町内会が管理しており、会員が年4回の清掃と数回の草刈りをしている。4月28日に草刈りを行った時は異変はなかったという。【吉野正浩】

5月23日朝刊
毎日新聞) - 5月23日12時1分更新
投稿者 staff : 2006年05月23日 16:19
http://www.securityhouse.net/area-blog/archives/2006/05/post_55.html

犯人は5という数字に拘りをもっているのかと思いつつ。
実は(一応〈宗教〉を営業品目に加えているにも拘わらず)「第六天」についてはよく知らなかった。ちょっとGoogleしてみると、関東を中心に多くの「第六天神社」が祀られていることがわかる。網野善彦先生がその〈東国社会〉論のキーのひとつにしていただけある。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~t-sato/index40.htmlは、「八幡」信仰との関わりで、「第六天」を説く。ご神体を盗まれた鎌倉の「第六天」は、上の記事によると、「建長寺鎮守神」ということだが、注目したのは、鎌倉とも地理的に近い茅ヶ崎の「第六天神社」*1。何故「第六天」が関西には全くないのが語られている――「豊臣秀吉」が「その強大な神威を怖れて廃社を命じ たため」。また、「その確かな出典が社務所において確認出来ておりません、何方か教えていただけませんか」というのは、謙虚で微笑ましい。また、http://www5.ocn.ne.jp/~mikeppi/motoarakawa.htmlは岩槻の「武蔵第六天神社」についてだが、写真が綺麗だったので、取り敢えずご紹介。