併合されず

能登半島地震*1では震源地から離れた石川県内灘町でも、主に「液状化」による大きな被害が出た;


NHK石川放送局「内灘町 住宅被害が深刻 道路もいたるところで陥没や隆起」https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20240106/3020017826.html
「石川で液状化現象 1m以上の段差も 専門家“広範囲に被害か”」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240108/k10014313851000.html
堀潤*2「奥能登だけではない「もう故郷に住めなくなる」液状化で深刻な被害 内灘町の住民は「激甚災害」指定を待つ」https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/43b6784521548cfaf2756b67ebfde16cd2c9f611


さて、内灘といえば、その領域の多くを海岸の砂丘が占め、かつては米軍の射撃場があり、それに反対した内灘闘争*3もあった。五木寛之には『内灘夫人』という小説*4があり、田原総一朗清水邦夫の『あらかじめ失われた恋人たち』*5内灘でロケが行われたのだった。

ところで、ずっとこの内灘というのは金沢市に吸収合併されているのだと思っていた。静岡県の清水も静岡市に併合されてしまったのだから*6内灘町も金沢に吸収されている筈だ、と。それが間違いで内灘河北郡内灘町として独立を維持していると気づいたのは比較的最近のことである。
さて、橋浦方人の『海潮音』は能登半島で撮影されたが、その重要なロケ地のひとつである輪島市の「旧角海家住宅」が今回の地震によって倒壊している;

重文角海家が倒壊 輪島市門前・黒島、再びの被災
1/14(日) 8:02配信

北國新聞社


 7日、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の輪島市門前町の黒島地区を訪ねると、地区の核である国重文「旧角海(かどみ)家住宅」が倒壊していた。主屋がつぶれ、土塀は見る影もなく倒れている。瓦が散乱した道路には人影がなく、荒涼としている。2007年の能登半島地震から復興を遂げた重厚な黒瓦の集落は、無残に変わり果てていた。

 黒島は江戸期、北前船主が屋敷を構え、「天領」として栄えた町である。07年の地震で被災した後、地区を挙げて町並み整備や修復を進め、09年に重伝建、16年に重文の指定を受けた。復興のシンボルとして輝いた町が再び破壊された風景は、正視できないほどに痛々しかった。

 ふと向かいの民家の張り紙が目に入った。「ゲストハウス黒島 2024年夏OPEN!」とある。重伝建を生かしたまちづくりが始まろうとする矢先の大震災に恨めしさが募った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b0a1e95fc9b985d8ce2de9febe6030c52f42616