川勝平太氏が「つくる会」メンバーかどうかというのが話題になっている*1。
川勝氏の著作って、単行本としては『日本文明と近代西洋』くらいしか読んでいない。全体的なスタンスとして、梅棹忠夫流の「生態史観」を引き継ぐ者ということでよろしいんでしょうか。まあ非マルクス主義或いは反マルクス主義なので、〈左翼〉に嫌われるのは仕方ないか。『日本文明と近代西洋』で、廣松渉の『生態史観と唯物史観』を「生態史観」を批判するぞと意気込んで結局は「生態史観」に降参していると評していたような気がする。とにかく、それなりに面白い本だったと思う。
- 作者: 川勝平太
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 1991/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 48回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1998/01/18
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 114回
- この商品を含むブログ (74件) を見る
- 作者: 広松渉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/07
- メディア: 文庫
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
「新しい歴史教科書をつくる会」が結成されたとき、その「賛同人」には予てから敬意を抱いていた知識人も名前を連ねていて、軽いショックを覚えたということはある。(敬意を抱いていた方とは別だが)有名どころだと、林真理子*2。平和主義者で、宝塚と林真理子のファンで、熱湯浴とフェミニズム(というよりも上野千鶴子個人)が嫌いな荷宮和子さん(『なぜフェミニズムは没落したのか』)もこの林真理子=「つくる会」問題に関して弁解を試みていたと思うが、どういうふうなものだったかは忘れた。或いは、岸田秀*3。たしか、網野善彦にそれを追求されて、弁解にならない弁解をしていたと思う。ただ、最新の「賛同人」名簿*4には既に岸田の名前はなく、ということは、網野善彦生涯最後の大仕事は岸田秀を一喝して「つくる会」を抜けさせたということ? さらには、元中央大学全共闘の北方謙三とか。
- 作者: 荷宮和子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/12
- メディア: 新書
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
- 作者: 加藤祐三
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1995/07
- メディア: (B)
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
*1:Eg. http://d.hatena.ne.jp/dj19/20090714/p1
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090704/1246674562
*3:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071012/1192195684 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080130/1201705768
*4:http://web.archive.org/web/20040205110122/http://www.tsukurukai.com/02_about_us/06_support.html
*5:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070817/1187373427