Kono’s Choice

下桐実雅子*1「初心者に薦める哲学の本」『毎日新聞』2022年12月26日


河野哲也*2によるチョイス。なお河野氏によると、「哲学」とは「自分の普段の行動や常識を問い直すこと」であるという*3


萱野稔人『名著ではじめる哲学入門』NHK出版新書
小川仁志『日本の思想家入門 「揺れる世界」を哲学するための羅針盤』角川新書
伊藤邦武ほか編『世界哲学史』(全8巻+別冊)ちくま新書
納富信留プラトン哲学への旅』NHK出版新書
中田考イスラームの論理』筑摩選書
中島隆博『悪の哲学 中国哲学の想像力』筑摩選書
神島裕子『正義とは何か』中公新書
高橋昌一郎『哲学ディベート 〈倫理〉を〈論理〉する』NHKブックス
鷲田清一『「待つ」ということ』角川選書
永井玲衣『水中の哲学者たち』晶文社
森岡正博『人生相談を哲学する』生きのびるブックス
エーリッヒ・フロム『悪について』ちくま学芸文庫
入不二基義『足の裏に影はあるか? ないか?』朝日出版社

ところで、エーリッヒ・フロムの本は(この中では)ちょっと異質であるような気もする。

最近、教え子の大学生が関心を持っているのが、ドイツ生まれのユダヤ精神分析学者・哲学者のエーリッヒ・フロムだ。著書の「悪について」を読む学生が多いそうだ。ドイツのヒトラーナチスがどうやって台頭したのか、心理的なメカニズムを解明した代表作「自由からの逃走」*4の続編で、「今の時代だからこそ、ぜひ読んでほしいですね」。
  河野氏は自著を薦めるということをしていないのだった。氏の『脳科学の暴走』や『道徳を問いなおす』もお薦め。