- 作者:マルクス・ガブリエル,中島 隆博
- 発売日: 2020/08/17
- メディア: 新書
中島隆博*1「哲学の使命」in Markus Gabriel、中島隆博『全体主義の克服』、pp.14-19
曰く、
中島氏自身の著作としては、『哲学 ヒューマニティーズ』が参照されるべきか。
古今東西の哲学を貫いて見てみると、おそらく、哲学の最良の部分は対話にある。対話はジャズセッション*2のようなもので、あらかじめ定められた譜面はない。共鳴するかどうかはやってみなければわからないのである。それはまるで私たちの生のようなものだ。偶然に向かって、未知なるものに向かって、実存的に飛び込みながらも、少しずつ言葉を獲得し、経験が深められていく。そして、経験に安住することなく、それを織り直し、再び生に没頭していく。この繰り返しのなかで、わたしたちが生きている現実の構造がようやく見えてくる。
しかし、それはひとりでは決して開けない地平だ。哲学は絶対的な孤独を必要とする。「絶対的」という言葉には「断ち切る」という意味があり、慣れ親しんだ自然な関係やものの見方を断ち切って、自分で出発するほかないということだ。とはいえ、それだけでは哲学は自分を食んでしまいかねない。それはもう一度、自分ではない他者につながり直すことをどうしても必要とする。対話というのは、絶対的な孤独の底で出会うことである。(pp.16-17)
- 作者:中島 隆博
- 発売日: 2009/05/26
- メディア: 単行本
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070327/1175015410 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090601/1243857543 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090610/1244658951 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090623/1245730857 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20091201/1259695353 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20101204/1291472573 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20101211/1292091136 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110122/1295645093 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110124/1295838608 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110211/1297401746 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110609/1307650973 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20120320/1332259441 hhttps://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20120708/1341690013ttps://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20120531/1338436829 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20120610/1339254978 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/09/11/222303 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/02/04/160040
*2:ジャム・セッション?