1970年代の話 - Living, Loving, Thinking, Again

Chris Killingbeck “Experience: I escaped from the Moonies” https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2016/jun/03/experience-i-escaped-from-the-moonies

2016年の記事。
80歳になって、癌のために余命幾許もないと悟った英国人がGabriella Jozwiak記者に、自らが統一協会 *1に入信し、合同結婚式の当日（結婚初夜）に脱走した経緯を語っている。
資産家の家庭で育ったキリングベック氏は早くから、脱物質主義的というかヒッピー的な価値志向を持っており、大学卒業後に就いた会計士という職にも馴染めず、ドロップアウトしていた。そんな或る日、統一協会の勧誘を受け、クスリと無関係で基督教的なところが気に入り、レディング郊外の農家にあった統一協会のコミューンに参加した。半年後、文鮮明から渡米するよう指示され、米国で５年間布教活動に従事した後、文鮮明が結婚しろと言ったので、ハイディというオーストリア人の少女と結婚することになった。ワシントンで700組のカップルが参加して行われた合同結婚式の直後に、突然統一生活に違和感を覚え、このままハイディと結婚しても幸福にはなれないと思うに至り、教団施設から脱走し、何とか英国に帰り着いた。その時、41歳。その後は、父親がレディングに所有していた不動産の大家として、静かな余生を過ごしていた。
記事の中で、具体的な年代は言及されていないのだけど、2016年に80歳というところから逆算すると、話は1960年代末期から70年代前半の話ということになる。郊外の農場のコミューンという設定、それにヒッピー志向の青年が惹かれる。日本における統一協会のイメージとはちょっと違うな、と思った。