「オタク」と「ヲタク」

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20061113のコメント欄から。
「カマヤンさんに質問したいのですが、オタクにネットウヨクが多いのは、「オタク叩きをしたり、オタク文化を規制したりするのは左翼が多い」という印象をオタクの人達が持っているからなのでしょうか?」というherbという方の質問に対して、NGC2497という方曰く、


(略)
ただし最初にオタクとヲタクを区別させてください。
自我の確立した“好きな分野にマニアックな人”をオタク
自我が未成熟で“好きな分野に心理的依存している人”をヲタク
と区別させてください。
そしてオタクはネトウヨにはなりにくいものの様です。
ヲタクはネトウヨに極めてなりやすいもののようです。
例えば、、
・PCに詳しい人で他人が自分をどう思うかをその他人に任せる人がオタク
PS2ゲームに詳しく好きなゲームをけなされれば、けなした人を“在日認定”する人がヲタク
と言えばわかりやすいかもしれません。
そしてネトウヨに関する事なので以下ではヲタクについて記します。

ヲタクにネトウヨが多いのは極めて自然な事です。
というのもヲタクというものが大体どのような人間によって占められやすいかを考えればよい事なのです。

ヲタクに多いのは自我が未成熟な人間、大体は「下流」の人間です。
フリータ、ニート、ひきこもり、不登校等々の人間が下流の多数を占めます。
彼らは社会的に不遇なので(経験的事実として昔から知られていますが)国家主義的傾向が非常に強くなります。
それゆえに右翼的言動に走ります。しかし街宣活動する程にパワフルでは
ありません(パワフルならニート等にはなりません。パワフルならヲタクにならないといいましょうか)

つまりネットのみに“下流の人間”は右翼的活動が限られる訳です。しかしヲタク(自我が未成熟)なので
様々な意見を俯瞰して考えて自分の意見をまとめるという事が出来ずに
自分の“心の穴”を埋める為の心理的満足(今なら概ね“美しい日本”に自我を投影)に走ります。

だから“美しい日本”を傷つけられる事は彼らにとっては自分を否定される事に等しい訳です。
だから非常にヒステリックに自分の意見を批判するものに反応します。
しかも俯瞰して物事見られないし知識もないので“在日認定”“部落は特権階級”とかでしか返す事が出来ないわけです。
(そもそも知識を集めた上で俯瞰して物事見るなら“下流”にはなりにくいですよね)
なので結果的に、ヲタク≒ネトウヨ、という事です。

つまりまとめますと
ヲタク≒下流≒(フリータorニートorひきこもりor不登校)→慢性的欲求不満→国に心理的依存→野外活動出来ない人間大多数→ネット上ウヨ活動→ネトウヨ
という訳です。
だから街宣右翼ネトウヨは本質的に異なります。

又“「ニート」っていうな!”という本を読む限りでは上述の不遇な人間は
政策的に半ば人為的に増やされてる節がありますので福利厚生政策を
手厚くする方向に政府が向けば又状況は変わるとは思いますです。
なので非正規雇用で(やむなく)ネトウヨと化してる人間が政府の政策で
正規雇用になれるようになる状況が増えればネトウヨも減るのではないかと思います。


ただし上述の事はチーム世耕や統一協会系原理工作員とかの工作員の暗躍を除いてネトウヨを考えております。
だから上の論理には現実的には“穴”もあるとは思いますのであくまで上述は心理分析からみたらという程度でお考えください。
(略)

問題はかなりある。勿論、ルサンティマンに侵された人が(第三者的にはいかがわしい)自我理想に惹き付けられていきやすいという傾向、或いはそのメカニズムは理解できるが。独断的な決定論によるレイベリングということなのだけれど、これは「フリータ、ニート、ひきこもり、不登校等々」と名指された「社会的に不遇な」人間の自律性を一方的に剥奪してしまうこと。そのようにすると、この人たちは自由な、自己主張する権利を持った人間ではなくて、たんなる福祉政策や医療政策の対象でしかなくなる。これは

ところで、私は、左派が、ネット右翼の事を、オタクやニート下流が多いと決め付けるやり方は、果たして左派にとって良い結果を生むのだろうか?という疑問を強く思ってきました。
多分、左派の中で、「ネット右翼は、オタク、下流ニートで構成されているのだ」と決め付ける人は、そう定義づける事で、ネット右翼の発言の価値を貶めて、優位に立とうとするやり方が有効だと思っているのかな?と思うのですが、私はどうもそんなやり方は有効ではなさそうだぞ、と思います。
私は、オタクもヲタクもニート下流も、リベラル勢力に取り込まなければ、リベラル派は衰退してしまうのではないか?と危惧します。
という帰結をもたらすだけではない。レイベリングの効果によって、〈予言の自己成就〉が起こってしまう。また、結局のところ、それは「ネット右翼」を免罪することになるだろう。「ネット右翼」に対しては、お情け無用に正しく敵対することが必要なのではないか。奴らを罵倒すること、それこそが奴らの〈人間性〉を保証するということになるだろうか。
なお、

# kamayan 『私は「ネット右翼」を三次元で見たことがないから、「ネット右翼」がオタクなのかどうかは判らない。
ただ「ネット右翼」は自身で思考する力はないし、知識が体系的ではなくモザイク的なので、そのモザイク的思考形態はオタクの思考パターンには近いかもしれない。伝わりにくい言葉で書いたのでこれはそのうちブログで詳述する。

ネット右翼にオタクが多い」という言説は、誰も証明していない都市伝説だし、「ネット右翼」も「オタク」も定義の曖昧な語なので、これは同語反復に近く、つまり無意味な発言だと思われます。』

という応答は穏当なものだと思う。
ところで、「ヲタク」はwotakuと発音しなければならないのか。