幽閉と絶景 - Living, Loving, Thinking, Again

たぬき*1「塔の形而上学」https://campingcarboy.hatenablog.com/entry/2021/02/03/121647

「塔」ということで先ず連想するのは幽閉ということだろう。それも、高貴な女性（お姫様）が幽閉されている。『カリオストロの城』*2でもそうだし、『塔の上のラプンツェル』でもそう。お姫様と塔との関係については、象徴論的にもっと詰める必要があるだろうけど、今はその余裕がない。

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さて、「「高層ビル」には “意味” があるけれど、「塔」には “意味” がない」という。実は、「塔」の「意味」（機能）というのはけっこう簡単に思いつく。狭くて急な階段や梯子段を登って塔の上に辿り着いたときに何が得られるのか？　それは360度、四方八方に及ぶ絶景だろう。東京タワー*3にしてもスカイツリー *4にしても、上海の東方明珠*5やSWFC*6にしても、入場料を取って「塔」の上からの絶景を見物させている。現代（資本主義或いは国家社会主義社会）における絶景は大衆商品だが、そもそもは支配者が絶景を独占していたのであり、支配者は絶景を視覚的に所有するとともに、政治的或いは軍事的に領有していた。或いは、支配者による絶景の鑑賞（国見）は領有（支配）という事実の再確認といえるかも知れない。

*2:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/12/31/084713