キャラに呑み込まれて

竹井聖寿というデブについては、一度だけ「偽酒鬼薔薇」として言及しているのだった*1
『毎日』の記事;


<柏連続通り魔>無期判決の被告「また人殺せる」

毎日新聞 6月13日(土)0時2分配信


 千葉県柏市で昨年3月、2人が死傷した連続通り魔事件の裁判員裁判。強盗殺人罪などで求刑通り無期懲役を言い渡された柏市あけぼの、無職、竹井聖寿(せいじゅ)被告(25)は「これでまた将来、殺人ができるぜ」などと大声を上げた。「今回の判決で良かったのか」。判決後、審理に参加した裁判員4人が記者会見し、複雑な思いをうち明けた。【円谷美晶、信田真由美】

 千葉地裁の201号法廷。竹井被告は、白のタンクトップから入れ墨の入った両腕を出し、グレーのハーフパンツ姿でオウム真理教の歌を口ずさみ、尾崎豊さんの「卒業」を歌いながら入廷した。椅子に座り、腕と足を組みながら、小森田恵樹裁判長の言葉に耳を傾けていたが、無期懲役を言い渡されると大きく何度も手をたたき、傍聴席を振り返った。

 会見した裁判員の30代の女性は「今日まで判決は間違っていないと思っていた。でも最後まであのような態度だと、今回の判決が正しかったのかとショックがあった」と涙を浮かべながら話した。40代の女性は「被害に遭った人の気持ちを考えると、今でもこの判決で良かったか悩んでいるし、これからも悩み続けると思う」と言葉を選びながら、心情を吐露した。

 8回にわたる公判で、竹井被告は一度は遺族に謝罪する意思をほのめかしたが、被告人質問では「謝罪してもしきれないので謝罪を撤回せざるをえない。テロの犠牲者と考えてほしい」と言い「名を残したい。死刑にしてほしい」とも主張した。

 検察側の求刑は無期懲役だったが、こうした被告の態度に触れ、会見した男性1人、女性3人全員の頭には「死刑」も浮かんだという。30代の女性は「彼が何を考えているのかわからなかった。パフォーマンスでやっているが、本当は反省しているのではないかと期待した」と振り返った。

 竹井被告は閉廷後、「検察官、悔しかったら死刑にしてみろ」「殺人は麻薬より気持ちいいぜ」などとわめき、刑務官4人に両脇を固められて引きずられるようにして法廷を去った。

 弁護人は竹井被告の態度について「初めての経験で残念。本人なりに思うところがあってやったのだろう。死刑にしてほしい、という発言は本気だとは思わない」と話した。

 ◇遺族「死刑の壁、高い」

 殺害された池間博也さん(当時31歳)の両親は公判を全て傍聴した。判決後、「殺された被害者が1人であった時には死刑の壁が高いと感じた。最後まで法廷や遺族を侮辱する態度をとった被告の態度に強い憤りを覚える」とのコメントを出した。

最終更新:6月13日(土)0時34分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150613-00000000-mai-soci

自らが設定した〈ヒッキーなニート〉というキャラに溺れてしまったということだろうか。「オウム真理教」や「尾崎豊*2も動員して、キャラを維持しているわけだけど、やはり自分のキャラはオーディエンスに受けているという意識があるのだろう。演技を止めさせたければ、被害者遺族の気持ちも考えろというような、ありがちな道徳的お説教をするよりも、もうそのキャラには飽きたよ、引っ込め! というブーイングを提出する方が有効だろう。
ところで、この裁判はもう一つ、面白い問題を提起していると思った。すなわち、「妄想」の妄想としての真実性を如何にして証明するのか、或いは否定するのか。
千葉日報』の記事;

精神疾患」「人格障害」 出廷2医師、診断に相違 柏通り魔公判

2015年06月5日 11:16


 柏市の路上で昨年3月、2人が死傷した連続通り魔事件で、強盗殺人や強盗致傷などの罪に問われた無職、竹井聖寿被告(25)の裁判員裁判の第6回公判が4日、千葉地裁(小森田恵樹裁判長)であり、検察側、弁護側それぞれの証人として竹井被告を診察した精神科の男性医師2人が出廷した。2人は「事件当時、判断能力が減退していた」という点で一致したが、精神疾患の有無などで意見が分かれた。

 検察側証人の医師は、事件後に竹井被告の精神鑑定を実施。「事件当時、判断能力は減退していたが、飲酒などによるもの。著しく低下していたわけではない」と証言し、犯行の動機を「生活に困った末の金銭目的」と指摘した。

 医師は、竹井被告が以前から動物虐待や暴力行為を繰り返していたとして「人格障害によるもの。同障害は病気ではなく、性格の種類のひとつ。反社会的で犯罪を肯定する傾向がある」と言及。「犯罪を楽しむ竹井被告本来の性格が飲酒などによって際立った」とした。

 一方、弁護側証人の医師は「判断能力の低下には、少なからず統合失調症の影響があった」と述べた。医師は事件直前までの約1年間、柏市内の精神科クリニックで竹井被告を診察。「竹井被告は人間関係が苦手でチャットに依存し、スカイツリーに突っ込むという荒唐無稽な話を信じこんでいた」と指摘。そのうえで、「引きこもったり、荒唐無稽な妄想を抱いたりするなど、統合失調症の多くの症状に当てはまる」と証言した。
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/260122


竹井被告に無期求刑 弁護側「精神疾患」25年主張 柏通り魔公判

2015年06月6日 05:00


 柏市の路上で昨年3月、2人が死傷した連続通り魔事件で、強盗殺人や強盗致傷などの罪に問われた無職、竹井聖寿被告(25)の裁判員裁判の第7回公判が5日、千葉地裁(小森田恵樹裁判長)であった。検察側は「強固な殺意に基づく残虐な犯行。再犯の可能性も高い」として無期懲役を求刑。弁護側は「犯行は精神疾患が原因」と述べ懲役25年が相当と主張した。判決言い渡しは12日。

 検察側は論告で「被告は精神疾患に罹患(りかん)しておらず、動機は金目当てだった」と指摘。弁護側は「スカイツリー攻撃の資金を得るなどの動機は疾患に基づく妄想。善悪を判断する能力が減退していた」と酌量減軽を求めた。

 起訴状によると、竹井被告は昨年3月3日深夜、柏市市道で、会社員、池間博也さん=当時(31)=をナイフで刺殺し、現金約1万数千円が入ったバッグを強奪。さらに、池間さん襲撃の前後に男性3人を襲って現金約3千円や車を奪い、うち1人の手に切り傷を負わせたなどとされる。
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/260268

「妄想」が竹井にとっては主観的真理であったことを弁護側は如何にして論証したのか、逆に検察側は「妄想」の真理性を如何にして論駁し、弁護側の主張する「妄想」が竹井本人にとってもただの嘘だったこと、「妄想」は妄想ではなかったことを、如何にして論証したのかということに興味が惹かれたのだけど、上の記事では全くそこら辺は明らかにならず。
See also


normanjp*3「柏通り魔事件、竹井聖寿プロフィールと事件まとめ」http://matome.naver.jp/odai/2139419675159985301