承前*1
叔父さんの手術は7月9日になりそう。入院が長引いたために、妻子と末の叔父さんを残して、取り敢えず雲南省に帰った。代わりに、広西の北海に在住の義父母(妻の両親)が看病のために上海に来るかも知れない。
ということで、末の叔父さんと従妹とともに、〈お上りさん〉のノリで、外灘見物に出かける。外灘からフェリー(2元)で浦東*2。そして、「金茂大厦」*3。その近くにある「東方明珠」*4が〈東京タワー〉ならば、「金茂大厦」の方は横浜の〈ランドマーク〉という感じだろうか。88階の展望台の入場料は50元。スターバックスで珈琲が3杯以上飲める金額ではある。秒速9米を謳う三菱電機のエレヴェーターだと、88階まで1分とかからない。展望台だが、記念品などがごちゃごちゃと売っており、東京タワーなんかでもそうだが、所謂〈展望台〉のノリである。肝心の展望だが、本来だとhttp://www.behind-the-wall.org/gallery/shanghai-panoramaにあるような展望が楽しめる筈なのだが、実際には上海の大気汚染のためか、見えるのはただただ霧、霧、霧。一応、雲は出ていたものの、晴れの日ではあったが。東京タワーでもそうだが、夜上って、夜景を楽しむというのがいいのかもしれない。面白いのは、考えてみれば不思議でも何でもないのだが、辺りの30階とか40階建ての高層ビルが高度300メートルから眺めると、ミニチュアのように実在感を喪失してしまうということ。「金茂大厦」は53〜87階までグランド・ハイアットが入っているのだが、ちょうど中央がパティオになっていて、つまり高さ100米以上の空洞になっている。その空洞を88階から覗き込むというのは「金茂大厦」ならではの楽しみ。〈崇高〉体験である。
病院に戻ると、ベッドの叔父さんは、点滴のほかにはベビー・フードのような流動食しか食べられないが、口に煙草を銜えている。勿論、火は点けていないが。