Allan Young@慶応

Allan Young博士の立命館における「記憶」を巡るワークショップ*1については、情報は入っていたものの、東京に対する京都とはいえ、基礎研とバッティングするので、ここに転載するのは差し控えていた。Mixiの「コーチク表参道」コミュにて、「鴨嘴博士」経由で、慶應義塾大学でのセミナーの情報が入ったので*2、こちらの方を転載する;


関係各位の先生方、研究者のかたへ――*

文化医療臨床人類学の研究セミナー学会のお知らせ*

世界的に著名な医療人類学者であるAllan Young先生(マッギル大学医学部医療社会研究学科教授)が、7月18日から慶大社会学研究科特別招聘教授として一ヶ月ほど来日されます。*

この機会に、アラン・ヤング先生を迎えて、以下のような学会「文化医療臨床人類学の新展開」を開催いたします。

 同先生のご研究の範囲は初期の妖術・呪術の文化人類学的研究、非西欧社会の医療人類学、その後その展望を大きく拡大したPTSDの医療人類学だけでなく、近年は先端医療技術、バイオポリティクスの諸問題をカバーし、進化精神医学・進化心理学・進化認知考古学的先端研究を総合的批判的に検討するなど、きわめて広範囲にわたっています。

 この研究セミナー学会ではアラン・ヤング先生のこれまでの諸研究全般の範囲に関連するトピックスをあつかいながら、それらを総合する医療人類学の深層の知をうかびあがらせることを狙いとします。「文化人類学と医療人類学は現在分野が分かれ、その距離が増しているのが現状だが、本来、二つの分野は社会的認識の研究という点でまったく同一のものなのである」というヤング先生の研究精神を一見多様で異なる研究群のなかに見出し、追体験する試みです。ご関心のあるかたはふるってご参加ください(資料代を除き、参加無料)。

問い合わせ先 FAX 03-5427-1578

慶應義塾大学・文学部・人間科学専攻研究室

宮坂敬造

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文化医療臨床人類学の新展開*

――人類の論理・感性/精神研究の融合領域におけるその位置:*

アラン・ヤング教授を迎えて「PTSD」、「論理と感性/社会的脳」、「先端医療と文化」を考える――*

日時: 2007年7月29日(日曜日) 10:00〜18:00*

場所: 慶應義塾大学・三田校舎・東館6階 G-SEC LABO室*

東京都港区三田2-15-45 JR山手線・田町駅下車、東京タワー方向へ徒歩8分アク
セス地図 http://www.keio.ac.jp/access.html*

第一部 **<医療文化人間科学研究ワークショップ>*

1:Social Studies of Medicineの多極的方向性-糖尿病医療の社会的研究を例にして

Mohacsi Gergely (東京大学大学院総合文化研究科・文化人類学)
演題:“Putting disease on the body”: pharmaceutical practices of diabetes care in Japan.
ほか、慶大社会学研究科院生を予定

2:先端医療と文化

八代嘉美東京大学医科学研究所・幹細胞治療研究分野)
演題:「日本の幹細胞研究と再生医療の現状」(Present State of Stem Cell Research and Regenerative Medicine in Japan)

第二部 **<研究セミナー>*

基調講演 *

Allan Young (McGill University)*
Professor of Cultural and Medical Anthropology*
演題: Changing Perspectives on Mind, Brain, and Empathy: Implications for Understanding the Intersection of Reason and Emotion.*

I. PTSDの医療人類学

・江口重幸 (東京武蔵野病院・文化精神医学、臨床人類学)
演題: 「外傷,物語,ジャネの『想話機能』:アラン・ヤングの『PTSDの医療人類学』以降の三連作を再読する」(Trauma, Narrative, and 'fonction fabulatrice' of Janet: Rereading Allan Young's triptych after the Harmony of Illusions.)

・佐藤雅浩 (日本学術振興会特別研究員・社会学
演題: The pervasiveness of the concept “trauma” in Japan, 1980-2000: the diffusion process of Post-Traumatic Stress Disorder.

II. 自閉症研究および先端的脳科学研究(進化精神医学の動向との関係から)

・直井望 (JST/CREST研究員, 慶應義塾大学文学部・心理学)
演題: Social and Communication Development in Autism Spectrum Disorders.

・福士珠美 (独立行政法人 科学技術振興機構, 社会技術研究開発センター研究員・「脳科学と社会」研究開発領域脳神経倫理研究グループ)
演題: Neuroethics in Contemporary Context of Scientific Communities in Japan.

第三部 <全体討論>*

司会・全体主旨、総括と討論:宮坂敬造(慶應義塾大学・人間科学・文化人類学

問題提起・指定討論:北中淳子(慶應義塾大学・人間科学・医療人類学)ほか

主催:慶應義塾大学内・相互的感情身体知の文化医療人類学・人間科学研究会 (本年度テーマ「相互感情知における論理/感性の文化的位相」研究)

【なお、予算処置の特定背景があるため、7月第2週以降に、主催団体はより大きなプロジェクトのサブユニットとして位置づけられる予定です】

なお、Allan Young博士のプロフィールはhttp://www.mcgill.ca/ssom/facultyinfo/young/