印度に兎はいるのか

Via https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2020/05/14/094556

四国新聞』の記事;


青色まとうウサギの石像 善通寺市甲山寺 医療従事者に感謝示す
2020/05/04 09:10


 新型コロナウイルス感染症の対応のため過酷な状況の下で働く医療従事者への感謝の気持ちを表そうと、善通寺市弘田町の四国霊場74番札所・甲山寺(大林教善住職)*1は、境内にあるウサギの石像に青色の前掛けを着ける取り組みを始めた。

 東京タワー(東京都港区)や通天閣大阪市浪速区)などで、医療従事者への感謝の思いを青色のライトアップで示す動きが広がっていることから着想を得た。石像はウサギの親子を模したもので、境内の手水(ちょうず)舎の横にある。普段は参拝者が奉納した前掛けをしているという。

 青色の前掛けは同寺の広報担当の杉本理恵さん(42)が、大小の2種類を手作りし、4月末から石像に掛けている。杉本さんは「医療従事者の負担を少しでも軽減するためにも、一人一人が感染予防に努めることが大切。前掛けが、参拝者の方にもそう思ってもらえるきっかけになれば」と話している。
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/locality/article.aspx?id=20200503000265

何故「ウサギ」なのか。
「ようこそウサギ寺 境内に“16匹”お守りにも 善通寺甲山寺*2に曰く、

甲山寺によると、ウサギとのつながりは、本尊の薬師如来に由来する。薬師如来の脇侍の月光菩薩(ぼさつ)が左手に持った月の中に、ウサギが描かれていることにちなんでいるという。境内には大門と中門、茶堂の瓦の上などに16匹いて、正面をじっと見据えていたり跳びはねていたりと愛嬌(あいきょう)のある姿を見せている。中でも中門のウサギ瓦は、門が造られた江戸時代末期からあるそうで、長年参拝者を見守っている。

 甲山寺では、寺の魅力に気付いてもらうきっかけにしようと、数年前からウサギをモチーフにしたお守りや御朱印の授与などを始めた。

月に兎というのはそもそも帝釈天に纏わる仏教説話の筈なのだけど*3、「月光菩薩」絡みの話というのは知らなかった。ところで、中国では、仏教伝来以前から月に兎が住んでいるという観念があったようで、『楚辞』(「天問」*4)でも言及されているのだという*5。なお、印度に兎がいるのかどうかということも知らないのだった。
楚辭―譯註 (岩波文庫 赤 1-1)

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  • 発売日: 1935/11/15
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