砂は流れて

東京新聞』の記事;


白石かずこさん死去 93歳 詩人「聖なる淫者の季節」
2024年6月20日 07時08分


 独創的な詩作や朗読パフォーマンスで国際的にも活躍した詩人の白石かずこ(しらいし・かずこ、本名嘉寿子=かずこ)さん*1が14日、心不全のため死去した。93歳。カナダ生まれ。葬儀・告別式は親族で行った。喪主は夫菱沼真彦(ひしぬま・のぶひこ)さん。
 カナダ・バンクーバーで幼少期を過ごした。早稲田大在学中に第1詩集「卵のふる街」を発表。寺山修司らと交流を深め、「聖なる淫者の季節」(H氏賞)で注目を集めた。アレン・ギンズバーグジャック・ケルアックといった米国のビート世代の作家の影響を受けた。
 女性が性について語ることがタブー視されていた時代に、「男根」といったむき出しの言葉を現代詩に持ち込んだ。詩の朗読とジャズとの競演を試みるなど、自由で実験的な詩作を展開。従来の詩壇の枠にとらわれない積極的な活動で、女性詩人の先駆者となった。
 「砂族」で歴程賞、「現れるものたちをして」で高見順賞と読売文学賞、「浮遊する母、都市」で晩翠賞。
 米アイオワ大国際創作プログラムに参加した1973年以降、世界各国の詩祭や作家会議で詩人や文学者と幅広く交流した。
 詩集以外にも自伝「黒い羊の物語」やエッセー集「白石かずこの映画手帖」など多くの著書がある。98年紫綬褒章
https://www.tokyo-np.co.jp/article/334738

実は、白石さんの著書で読んだのは、1980年代に旺文社文庫から出ていた『JAZZに生きる』と『可愛い男たちと可愛い女たち』くらいなのだった(汗)。また、私たちの世代だと、浅田彰氏の『構造と力』*2で「 砂族」がプッシュされていたという印象が強く、『構造と力』を契機として、改めて白石さんの詩作に接近したという人も少なくなかった筈。
石田昌隆氏*3