カンボディアの犬肉産業

AFP「「これは罪だ」 カンボジアに広がる闇の犬肉産業」https://www.afpbb.com/articles/-/3254347


カンボディアにおける「犬肉産業」について。
「安価なたんぱく源である犬肉*1は、中国や韓国、ベトナムインドネシアの非イスラム社会などのアジア諸国で現在も食べられている」ということなのだが、どれほど安いのか、牛肉や豚肉や鶏肉と比較してくれないとわからない。「安い犬肉は網焼きや1.25ドル(約140円)ほどのスープになって飲食店で提供されており、日雇い労働者に人気がある」。豚肉や牛肉は幾らくらいするのか。私の中国(華南)における限られた知見からすると、犬肉は決して「安価なたんぱく源」ではない。また、人々が犬を食べるのも、安いからではなく、薬膳というか、精力増進のためだ。
この記事は犬肉を食べる文化に対して批判的なのだが、犬肉を食べる風習が衰退する最も手っ取り早い途は中産階級を増やして、ペットを飼うという風習を定着させることだろう。
犬に咬まれても狂犬病の予防注射をせず、「せっけんとレモンで傷を消毒した」という男性が登場する。「レモン」で「消毒」というのは初めて聞いた。

「島尾忌」

狂うひと :「死の棘」の妻・島尾ミホ (新潮文庫)

狂うひと :「死の棘」の妻・島尾ミホ (新潮文庫)

分厚い梯久美子『狂うひと』を読んでいる最中なのだった。
南海日日新聞』の記事;


島尾夫妻の遺徳しのぶ 奄美市で島尾忌
11/13(水) 13:01配信南海日日新聞


 奄美ゆかりの作家・島尾敏雄(1917~86年)*1の命日に当たる12日、鹿児島県奄美市名瀬の旧県立図書館奄美分館長官舎(島尾家旧居)で「島尾忌」が行われた。会員や島尾ファンら約40人が参列し、島尾氏とミホ夫人の遺徳をしのんだ。

 島尾忌はNPO法人島尾敏雄顕彰会(潤井文子理事長)が主催。島尾氏の長男で写真家の伸三さん(71)夫妻と孫の真帆さん(41)も参列した。

 今年はミホ夫人の生誕100年に当たる。潤井理事長(75)は10日に開催したゆかりの地を巡る瀬戸内町加計呂麻島ツアーや講演会など顕彰会の取り組み*2を紹介し、「これからも地道な活動を行ってまいります」とあいさつ。鹿児島近代文学館(鹿児島市)の垂野秀子館長(65)らが奄美の文化振興に貢献した島尾氏の功績をたたえた。

 旧居敷地内の島尾敏雄文学碑に献花した伸三さんは「この官舎で父と母はそれまでにないほど落ち着いた生活を送っていた。官舎を残してくれたおかげで私たち家族はさまざまなことを思い出すことができる」と語り、参列者へ謝辞を述べた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191113-00010004-nankainn-l46

「遺徳」! これが文学者に相応しい言葉なのかどうかというのは問題だ。
ところで、島尾敏雄所縁の地のひとつでもある小岩につい最近偶々行ったのだった。

ぶれてない!

承前*1

西日本新聞』の記事;


「死ぬ以外、ネットでのリンチやめない」Hagexさん殺害、被告が動機語る
11/13(水) 10:19配信西日本新


 福岡市中央区の創業支援施設で昨年6月、IT関連セミナーの男性講師が殺害された事件で、殺人などの罪に問われた同市東区、無職松本英光被告(43)の裁判員裁判が12日、福岡地裁(岡崎忠之裁判長)であった。講師は「Hagex」のハンドルネームで活躍していた有名ブロガーだった。松本被告は被告人質問で、講師がインターネット上の「集団リンチ」に関わったとして「死ぬ以外、ネットでのリンチをやめないと思った」と動機を語った。

 松本被告は集団リンチについて「複数の人間が一方的に個人を攻撃すること」と独自に定義し、「弱い者いじめで許せなかった」と説明。集団リンチに関わったと判断した他のユーザーに対し、2015年ごろから「低能」などと中傷を繰り返した。そのため、ネット上では「低能先生」と揶揄されていた。

 講師も被告とのトラブルをブログで紹介したため*2、「ネット上にさらされ、挑発行為だと感じた。セミナーで福岡に来ると知って殺害を決めた」と述べ、昨年4月下旬ごろに殺害を決意したと説明。2人に直接の面識はなかったが、ブログで講師の顔写真を確認したという。

 被告は「一方的に殺してしまったことは、嫌いないじめと同じだと反省している」と述べた一方で「ネットリンチする人が1人減ったので、後悔はしていない」と淡々と語った。今回の事件以外にも「リンチしている人間はだいたいターゲットだった。殺す優先順位も付けていた」と話した。

 被告が利用していたサイトの運営会社社員も証人として出廷。被告による他のユーザーへの中傷は17年ごろから頻繁になり、「年間8千件に上ったこともあった。常軌を逸していた」と証言。アカウントを凍結しても、約500回にわたって再取得したという。

 起訴状によると、昨年6月24日夜、福岡市中央区大名2丁目の創業支援施設に侵入、1階のトイレで東京都の講師=当時(41)=の首や胸などをナイフで刺して殺害したとされる。(梅沢平、鶴善行)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191113-00010002-nishinpc-soci

変なところに感心してしまう。「低能先生」、全然ぶれてない! さらに、「優先順位」は低かったものの、他にもターゲットを設定していたのか。私の知る限りでは、自分が殺される可能性を意識し・表明していたのは在華坊さんくらいだったけれど*3
さて、事件当時に「低能先生」を擁護していた人も一定数いたけれど、その人たちは今でも「低能先生」に寄り添っているのだろうか。獄中に差し入れをしたり、弁護費用をカンパしたり。

Flooded Venecia

朝日新聞』の記事;


「水の都」ベネチア、高潮で浸水 サンマルコ寺院も被害
11/13(水) 6:24配信朝日新聞デジタル


 「水の都」として知られ、世界遺産に登録されているイタリア・ベネチアの歴史地区が12日、高潮の被害を受けて浸水した。中心部にある観光名所のサンマルコ広場は一面、数十センチの高さまで浸水。観光客は水上の渡し板を伝って移動する事態になっている。

 ベネチア市によると、12日午後10時50分(日本時間13日午前6時50分)に、187センチの高潮を記録。1966年に記録した194センチに次ぐ高さとなった。市の高潮対策センターによると、110センチを超えると住宅に浸水被害が出るといい、12日朝には市内に高潮警報のサイレンが響き渡った。

 イタリアは低気圧の影響でここ数日、全国的に雨が降り続いていた。ベネチアでは秋から冬にかけて、シロッコと呼ばれる南風の影響で満潮時に高潮が起こりやすい。これに大雨が重なって被害が拡大した。

 最も標高の低いところにあるサンマルコ寺院は、12日の高潮で深刻な被害を受けた。伊紙レプブリカ(電子版)によると、寺院入り口近くの柱廊では高さ70センチまで浸水し、大理石の柱や建物のれんがが被害を受けた。「1200年の歴史で6度目」という深刻な被害で、同寺院を担当する国の財物管理官は「水が引いた後も残る塩害が心配だ」と懸念する。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191113-00000008-asahi-int

ヴェネツィア、8月に行ったばかりだったのだけど*1
See also


“Venice floods: Climate change behind highest tide in 50 years, says mayor” https://www.bbc.com/news/world-europe-50401308
Jon Henley and Angela Giuffrida “Two people die as Venice floods at highest level in 50 years” https://www.theguardian.com/environment/2019/nov/13/waves-in-st-marks-square-as-venice-flooded-highest-tide-in-50-years
Julia Hollingsworth “Worst floods for 50 years bring Venice to 'its knees'” https://edition.cnn.com/2019/11/13/europe/venice-flooding-state-of-emergency-intl-hnk/index.html


そもそもヴェネツィアは常に「沈みゆく都よ」と呼びかけられていたのだった(大貫妙子「Cavaliere Sevente」)。

Boucles d'oreilles (ブックル ドレイユ)

Boucles d'oreilles (ブックル ドレイユ)

信じぬ人は?

承前*1



神も仏も信じない奴には「絶対に地獄に行く!」という脅しは通用しない。どうしたらよいのか。

嬲られた御巣鷹

「祈りの場 無残 あったはずの墓標が… 日航ジャンボ機墜落事故現場「御巣鷹の尾根」に足運びルポ」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191109-00010000-jomo-l10


1985年のJAL123便墜落事故*1の現場である群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」が台風19号*2によってよって徹底的に蹂躙されているという上毛新聞のレポート。


登山道の中腹にある山小屋からスゲノ沢に進むと、対岸に渡るための金属製の足場が数メートル下で流木と一緒にひしゃげていた。墓標へ向かう参道は、遺族らが犠牲者のゆかりの品などを飾るための「祭壇」と呼ばれる小屋の脇から幅数メートルにわたって地面がえぐれ、途切れてしまっていた。

 山小屋へ至る登山道では少なくとも3カ所で道が崩落。道の脇にあった休憩用のベンチが転がり、階段が寸断されていた。道だった場所からは土砂が流失し、むき出しになった岩の間を水が流れ、一見すると川のようになっている。慰霊登山者のための白い手すりがかろうじて残っていなければ、道だったことには気付かなかったかもしれない。

 登山口は、山に向かって左手の斜面が崩れ、上段の駐車場へ向かう道を覆っていた。直径3メートルほどの岩や大量の土砂が堆積。案内看板や登山用のつえ立てをのみ込み、まるで登山口への進入を阻んでいるかのようだ。遺族更衣室やトイレが設置されている旧登山口の駐車場も土砂で埋もれていた。

 尾根へ向かう舗装道路は少なくとも8カ所で崩落を確認した。路肩が落ち、山際の側溝だけが残っている場所もあった。一方、尾根の頂上付近にある「昇魂之碑」の周辺には大きな被害はなかった。

死体から遺体へ

承前*1

NHKの報道;


ライブ配信中に滑落? 富士山の遺体は都内の47歳男性
2019年11月12日 16時31分


先月、富士山に登る様子を動画配信サイトでライブ配信していた人が滑落する姿が流れ、その後、7合目付近で見つかった遺体について、東京 新宿区の47歳の男性と確認されました。警察は、この男性がライブ配信をしていたとみて詳しい状況を調べています。

先月28日、雪の積もった富士山に登る様子を動画配信サイトでライブ配信していた人が滑落する姿が流れ、警察が捜索した結果、2日後、7合目付近の標高およそ3000メートルのあたりで、遺体が雪に埋まった状態で見つかりました。

警察が調べたところ、亡くなったのは東京・新宿区に住む塩原徹さん(47)と確認されました。

ライブ配信をしていたとみられる人のツイッターのアカウントには都内から富士山五合目に向かうバスの乗車券の写真などが投稿されていて、警察によりますと、実際に塩原さんが高速バスの乗車券を購入した履歴があったということです。

警察はライブ配信していたとみて詳しい状況を調べています。

本人のものとみられるツイッターや動画配信サイトでは、司法試験の合格を目指していると自己紹介され、何度も富士山に登る様子などがライブ配信されていました。

静岡県警察本部山岳遭難救助隊は、登山中のライブ配信など注意力が散漫になる行為は行わないよう求めています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191112/k10012174211000.html

匿名的な死体から名前のある遺体へ*2
管見の限り殆ど語られることはなかったけれど、旧制度下における司法試験浪人というのは日本社会に独特の暗さを供給していた。この塩原さんは新制度の下で「司法試験の合格を目指してい」たのであって、事情は全く異なるのだろうけど。