嬲られた御巣鷹

「祈りの場 無残 あったはずの墓標が… 日航ジャンボ機墜落事故現場「御巣鷹の尾根」に足運びルポ」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191109-00010000-jomo-l10


1985年のJAL123便墜落事故*1の現場である群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」が台風19号*2によってよって徹底的に蹂躙されているという上毛新聞のレポート。


登山道の中腹にある山小屋からスゲノ沢に進むと、対岸に渡るための金属製の足場が数メートル下で流木と一緒にひしゃげていた。墓標へ向かう参道は、遺族らが犠牲者のゆかりの品などを飾るための「祭壇」と呼ばれる小屋の脇から幅数メートルにわたって地面がえぐれ、途切れてしまっていた。

 山小屋へ至る登山道では少なくとも3カ所で道が崩落。道の脇にあった休憩用のベンチが転がり、階段が寸断されていた。道だった場所からは土砂が流失し、むき出しになった岩の間を水が流れ、一見すると川のようになっている。慰霊登山者のための白い手すりがかろうじて残っていなければ、道だったことには気付かなかったかもしれない。

 登山口は、山に向かって左手の斜面が崩れ、上段の駐車場へ向かう道を覆っていた。直径3メートルほどの岩や大量の土砂が堆積。案内看板や登山用のつえ立てをのみ込み、まるで登山口への進入を阻んでいるかのようだ。遺族更衣室やトイレが設置されている旧登山口の駐車場も土砂で埋もれていた。

 尾根へ向かう舗装道路は少なくとも8カ所で崩落を確認した。路肩が落ち、山際の側溝だけが残っている場所もあった。一方、尾根の頂上付近にある「昇魂之碑」の周辺には大きな被害はなかった。