昔は墓場だった

テレ朝の報道;


独自 今月完成の新国立競技場に187人分の人骨
2019年11月8日 12時14分 テレ朝news


 今月末に完成予定の新国立競技場*1で、準備段階の工事の際に187人分の人の骨が見つかっていたことが分かりました。

 国立科学博物館坂上和弘研究主幹:「体の骨の大きさとか歯の生えている状態から大体3、4歳くらいと推定できる」

 見つかったのは幼児から高齢者までの男女の骨187体です。2013年から2015年にかけて、新国立競技場の本格整備に向けた準備工事の段階で地中から発見されました。この場所には以前、寺の墓地があり、江戸時代に埋葬された人の骨とみられています。

 国立科学博物館・篠田謙一人類研究部長:「ここ10年間くらいで五輪があるとか大規模開発が行われるということで、急速に人骨が集まり始めてしまって、ちょっと対応しきれなくなってきてる」

 今年、都内の別の工事現場でも1000体近くの人の骨が発見されています。専門家らは当時の生活を知るうえで重要な研究対象だとして、保管場所の確保を求めています。文化庁は来年度の概算要求にこうした骨の収蔵庫を新設することを盛り込んでいます。
https://news.livedoor.com/article/detail/17350920/

新国立競技場の辺りが墓場だったというのはさもありなんと思った。ところで、その「寺」とそれを支える檀家は何処へ行ったのか。
さて、これらの「人の骨」は匿名的な「人骨」というより、名前と結びついた遺体である可能性が高いのでは? 「江戸時代」なので、例えば縄文時代の遺跡から発掘された人骨よりもはるかにコンディションがよく、DNA鑑定もより容易なのでは? そうすると、「男女の骨187体」はばらばらの「187体」ではなく、母系或いは父系の血縁関係で結びついた幾つかのブロックをなしている筈。(もし現存すれば)過去帳とかを参照して、「骨」たちの名前を推定することが可能になるのでは? さらに、現に生きている子孫たちとも関係づけられるかも知れない。このように勝手に想像してしまった。
因みに、山田康弘『縄文人の死生観』*2第1章「縄文時代の墓とその分析」によれば、「人骨間の遺伝的情報を知る方法」として、DNA(とくにハプロタイプ)のほかに、「歯冠計測値」(pp.44-45)と「頭蓋形態小変異の有無」(pp.45-49)があるという。
縄文人の死生観 (角川ソフィア文庫)

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