安田聡子「【結婚の平等裁判】同性間の婚姻認める制度がないのは「違憲状態」と判断。請求は棄却(東京地裁で判決)」https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_638596d5e4b0e4c775960d2d
曰く、
「法律上同性の者どうしの結婚が認められないのは憲法違反だ」として、複数の性的マイノリティらが国を訴えていた裁判で、東京地裁(池原桃子裁判長)は11月30日、原告側の請求を棄却した。「違憲」とする訴えを退けた。
石川大我氏*5;
この裁判は「結婚の自由をすべての人に」訴訟という名称で、36人(2022年11月時点)のLGBTQ+当事者が、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の裁判所で結婚の平等を求めて国を訴えている*1。結婚の平等とは、法律上同性のカップルも、異性カップルと同じように婚姻制度を使えるようすること。
現在、日本の法律では「結婚は男女に限るもの」という解釈がなされており、同性カップルの婚姻が認められていない。
原告らは、この現行法が憲法に違反するとして、2019年に裁判を提起した。
東京1次訴訟*2では、レズビアンやゲイなど合計8人の性的マイノリティが原告になり、2つの点が争われた。
1つ目は「同性同士の結婚を認めない法律は、結婚の自由や差別禁止を定めた憲法に違反するか」という点。
そして2つ目は「もし憲法違反であれば、その違憲状態を国が放置しているのが、法律違反かどうか」だ。
一連の裁判では、これまで札幌地裁と大阪地裁で判決が言い渡されており、それぞれ異なる判断が示されていた。
札幌地裁は2021年3月に「憲法14条違反」という判決を言い渡した*3。ただし、大阪地裁は2022年6月に合憲と判断していた*4。
東京地裁103号法廷内の100名弱の傍聴人の皆さんと池原桃子裁判長の判決要旨を聞きました。裁判長は憲法24条2項について『同性パートナーが家族になる為の法制度が無いことは個人の尊厳の観点から違憲状態である』と明言。次は立法府、我々国会議員の仕事。皆さんと連携をし、法制化を進めましょう❗️ pic.twitter.com/Tgpfr6auvc
— 参議院議員 石川大我 Taiga Ishikawa🌈立憲 (@ishikawataiga) 2022年11月30日
ところで、日本国憲法は同性婚姻を認めておらず同性婚姻を合法化するためには憲法改正が必要であるという理屈は崩壊している。あの大阪地裁の反動的判決でも、そうしたロジックは採用されていない。
「同性婚が認められるには憲法改正が必要」という意見が、東京一次地裁判決を経てもまだありますが、札幌、大阪、東京一次ともに、憲法によって同性婚は禁止されているという解釈にはよっておらず、憲法改正は不要であることがまた明らかになっています。
— Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に マリフォー (@marriage4all_) 2022年11月30日
同性婚と憲法の話題になると必ず出てくるのが「24条は同性カップルに触れていないから同性婚を認めるには憲法改正が必要」という主張ですが、これは「憲法条文で直接言及されている対象でないと法律で婚姻の権利を認めることは不可」だと思い込む誤った解釈をしているんですね。
— アームズ 魂 (@fukuchin6666) 2022年12月1日
24条は同性婚について言及していないだけで『禁止』しているわけではありません。
— アームズ 魂 (@fukuchin6666) 2022年12月1日
と同時に言及していないから24条は同性婚の制度を『要請』しているわけでもない。
つまり同性婚の法整備をしても憲法は『許容』する(しなくても合憲)ということです。
実際に東京地裁の判決にもあるように、24条は同性婚を禁止していないから「立法府において現行の婚姻制度に同性間の婚姻も含める方法」も認めているんですね。
— アームズ 魂 (@fukuchin6666) 2022年12月1日
いまだに憲法条文で言及されてないと違憲だという大きな誤解をしている人は、一度でいいから判決文を読みましょう。 pic.twitter.com/nCMnncKUEo
See also
伊吹早織*6、吉田遙「【速報】同性婚訴訟、東京地裁が「違憲状態」と指摘「家族となる法制度がないのは重大な障害で脅威」」https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/marriage-for-all-20221130
「同性婚 法制度ないのは違憲状態も憲法には違反せず 東京地裁」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221130/k10013908001000.html
*1:See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/02/14/232304 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/02/16/025039 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/02/16/101311
*2:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/02/11/135145
*3:See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/03/17/141118 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/03/18/101219 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/03/19/140844
*4:See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/06/21/105846 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/06/23/111807
*5:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20161001/1475300762
*6:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170819/1503112438 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170905/1504632406 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171011/1507730436 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180217/1518833671 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180311/1520789627 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180501/1525143180 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180523/1527038546 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180606/1528263017 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180621/1529543754 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180623/1529775411 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180903/1535936713 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/02/01/101248 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/02/16/025039 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/02/28/142415 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/03/11/102355 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/03/15/032832 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/04/14/022559 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/05/17/014117 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/05/31/014417 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/18/110449 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/01/06/160702