佐野眞一

朝日新聞』の記事;


ノンフィクション作家の佐野眞一さん死去 「東電OL殺人事件」
9/27(火) 14:51配信


朝日新聞デジタル

 ノンフィクション作家の佐野眞一(さの・しんいち)さん*1が26日、肺がんのため千葉県流山市内の病院で死去した。75歳だった。葬儀は近親者らで行う。後日、お別れの会を開く予定。佐野さんは6月末に入院し、今月上旬に病状が急変したという。

 東京都葛飾区出身。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社勤務を経て作家に。1997年に「旅する巨人 宮本常一渋沢敬三」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年には「甘粕正彦 乱心の曠野(こうや)」で講談社ノンフィクション賞を受賞した。

 事件の発生から裁判までをルポし、ベストセラーとなった「東電OL殺人事件」や、出版不況の現場を取材した「だれが『本』を殺すのか」、東日本大震災をテーマにした「津波原発」など社会問題を幅広く扱った。

 週刊朝日に12年に執筆した橋下徹・元大阪市長に関する連載記事をめぐり、差別的な表現があったとして謝罪した。橋下さんが発行元の朝日新聞出版と佐野さんに損害賠償を求め提訴し、15年に和解した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/972059799b2785caa2ef2337d0cc17d786f464d4

佐野眞一という名前を記憶したのは、1980年代に『月刊PLAYBOY』でスーパー業界についてのルポルタージュを読んだときだったと思う。1990年代になって、文庫本になった『遠い「山びこ」 無着成恭と教え子たちの四十年』を読んで、あのスーパーの人が! と軽く驚くとともに、佐野眞一という書き手に興味を持ったのだった。佐野氏は2010年代には、(上の記事にもあるように)部落差別のために橋下徹に訴えられ*2、さらには自らの剽窃行為が暴露されるという事態になった。その頃には、偶然ではあるけれど、佐野眞一の作品に対する興味が急速に萎んでいたのだった。訃報を聞いて、佐野眞一を読みたいという欲望は(剽窃咎められたものを含めて)増大している。