佐野眞一ナベツネをdisる

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120304/1330825992


佐野眞一*1の『ちくま』コラム(をまとめた本)が言及されている。それにつられて、490号(2012年1月)に載った「読売のDNA」(pp.4-5)から抜書き。その前に、「DNA」という比喩は大嫌いだということは申し上げておきたい*2
このテクストの直接の背景は昨年の清武英利の造反による巨人の「お家騒動」*3である。ナベツネをdisりまくり。
ナベツネは東大共産党時代に培った人心収攬術で老人を籠絡し、ライバルはこれも共産党伝統の粛清と裏切りで蹴落としていった」(p.5)というのはたんなる事実なのだろうけど、それに続いて、「正力[正力松太郎]は”大正力”と呼ばれたが、ナベツネを”大ナベツネ”と呼ぶ者は誰もいない」という。また、


正力とナベツネじゃ、人間の器が恐竜とイタチほど違う。日本にプロ野球とテレビを持ち込んだばかりか、原発まで導入した正力は、好き嫌いは別にして、百年に一人現れるかどうかの怪物だった。
それに比べてナベツネという男は、東京ドームのロイヤルボックスで中曽根大勲位と冷酒を飲みながらプロ野球を上機嫌で観戦し、スポーツ記者に取り囲まれると、ほろ酔い機嫌で怒鳴りつける。いつもパイプをくわえて大物ぶっているけれど、こういうのを日本語でふつう、チンピラちか小物と言うんじゃなかったっけ。こんなつまらない男を書く気はこれっぽっちもないね(p.4)
といいつつ、ナベツネをdisる。

巨人軍のパーティーで、こんな場面を見たことがある。巨人軍のオーナーは当時、昨年死んだ正力の長男の亨だった。巨人軍の権力はすでにナベツネに掌握され、亨に寄りつく者はほとんどいなかった。
王は真っ先に会場にポツンと一人いる亨に挨拶に行ったが、長嶋は亨より前に権力者のナベツネに近づいて行った。それを眺めて、王はさすが苦労人だと感心した。一方、長嶋はああ見えて案外計算高い男だな、と認識を新たにさせられた。今回の騒動で、長嶋は清武を激しく批判するコメントを出して世間を驚かせた。だが、長嶋はもともと権力者をかぎ分ける天才的カンの持ち主なのである。(pp.4-5)
最後の方で、序でにというか、流れ弾を食らっているのが三宅久之。三宅は「イタチ」以下?
それから、佐野氏も島田紳助橋下徹の関係に触れているのね*4
ところで、『ちくま』という雑誌は鬼海弘雄の表紙写真の迫力が凄いのだ。