訂正の仕方

マルクス・アウレリウス『自省録』*1第1巻10節;


文法学者アレクサンドロスからは、口やかましくせぬこと、粗野な言葉づかいや、文法的にまちがったことや、気にさわるような表現を用いる人にたいしては、とがめだてするようなふうに非難せず、答えのかたちで、あるいは他人の言葉に口ぞえする形で、または言葉づかいではなく問題自体を一緒に論議するという形で、またそのほか同様の慎ましやかな注意によって、用うべきであった表現そのものをうまく話の中に持ってくること[を学んだ]*2。(p.14)
「文法学者アレクサンドロス」は兼利琢也氏の注によれば、

ブリュギアのコテュアエイオン出身の文献学者で、ホメーロスとヘーシオドスの注釈を著した。一三五年頃、アントーニーヌス*3に呼ばれて若きマルクスギリシア語教師になった。弟子には高名な弁論家アイリオス・アリステイデース*4がいる。(p.247)