http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20091128/1259409446
色々と興味深かったけれど、徳川夢声が「ちょっと泉谷しげるに似てる」というのに反応。というか、先日観た木村祐一監督の『ニセ札』で、泉谷しげるが村の住職を演じていたので。
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http://blog.goo.ne.jp/tenjin95/e/fd0df30d39bdaff268bd8c30cc97f86e
宮城県で曹洞宗の寺の住職をされている方のblog。
ここで、岩波書店のPR雑誌『図書』の10月号に中島隆博氏の「儒教と祈り」という文章が掲載されたことを知る。紹介によれば、中島氏のテクストの内容は、「儒教」*2は「宗教」か「非宗教」かという問題。さらに、「儒教」に宗教性を認めるとしても、その宗教性は近代的な、基督教を標準とした〈内面的な信〉としての宗教性と同じものなのかどうかという問題。そして、「宗教という近代的概念を、儒教を通じて批判的に読み直すこと」を提起しているという。紹介によれば、中島氏は和辻哲郎『孔子』における『論語』「述而」の解釈に対する批判を展開しているらしいのだが、それは(より一般的に言えば)神話解釈でよく使われる〈加上説〉に対する批判ということになる。因みに、この「述而」篇は有名な「子不語怪力乱神」(”The Master never talked of prodigies, feats of strength, disorders or spirits.)という文を含む。
- 作者: 和辻哲郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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Analects (Wordsworth Classics)
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桜井哲夫「今村「労働論」の今日的意味」『東京経大学会誌』259、pp.167-176(http://www.tku.ac.jp/~koho/kiyou/contents/economics/259/167_sakurai.pdf)
今村仁司*9の「労働論」のまとめ。今村労働論の主要な著作として、『労働のオントロギー』、『仕事』、『近代の労働観』が挙げられているが、雑誌論文とかを除けば、本としては『近代の労働観』しか読んでいないということを、恥を忍んで、書いておかなければならない。さて、『近代の労働観』において、「労働」への「動機」としての「承認欲望」は「虚栄心」であるとされている。しかし、「虚栄心」に還元していいものなのか。労働は多くの場合、(少なくとも大局的には)クライアントや顧客との関係で行われるものであろう。また、アレント(『人間の条件』)がいうように、唯一無二の存在としての〈私〉は複数性においてしかありえない。或いは、労働もパフォーマンスであるとしたら、オーディエンス抜きのパフォーマンスというのもありえない*10。ところで、桜井氏がアンリ・ドゥ・マンを論じたという処女作の『知識人の運命』は読んでいなくてすみませんなのだが、桜井氏自身が挙げている『社会主義の終焉』のほかに、NHKブックスから出ている『「近代」の意味』でも、20世紀における「計画」の思想の一環として論じられていたように思う。
- 作者: 今村仁司
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「近代」の意味―制度としての学校・工場 (NHKブックス (470))
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http://thought.air-nifty.com/thought/2009/11/post-af32.html
石田雅樹氏の『公共性への冒険:ハンナ・アーレントと《祝祭》の政治学』(勁草書房)。これは日本滞在中に買い損ねたことになり、返す返すも残念!
石田氏ご自身が
と書かれていることは、私もアレントの「ハーバーマス化」に対しては違和感を持っているので、共感する。
『人間の条件』などで論じられる「公的領域」が古代ギリシャ・ポリスを範にしたものであることはよく知られています。ですがその「ポリス≒公共性」を論じることにどのような意味があるのでしょうか? 例えば Seyla Benhabibなどは(おそらくハーバーマスの影響から)、この「ポリス≒公共性」を現代的文脈で論じることへの疑問から、『ラーエル・ファルンハーゲン』などに見られる「サロン≒公共性」モデルのほうを重視し、あるいは 「闘技(アゴーン)」agon よりも「物語」narrative の次元をアーレントの「政治」を論じる上で重視しました。しかしそのように「ハーバーマス化されたアーレント」とでもいうべきもので、見失われたものがあるのではないのでしょうか。
ここで名前の挙がっているSeyla Benhabibのテクストは、例えば「パーリアと彼女の影」(in 『ハンナ・アーレントとフェミニズム』)、またThe Reluctant Modernism of Hannah Arendtとか。
ハンナ・アーレントとフェミニズム―フェミニストはアーレントをどう理解したか
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The Reluctant Modernism of Hannah Arendt (Modernity and Political Thought)
- 作者: Seyla Benhabib
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*1:See http://www.nikkansports.com/jinji/2000/seikyo000624.html
*2:少し後で触れるが、「儒教」という言葉は好まぬ。通常は儒家という言い方をする。
*3:See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091120/1258696685
*4:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061101/1162391208 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061106/1162752516 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061107/1162862295 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070918/1190118272
*5:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080616/1213635970 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080618/1213804907
*6:日本の神道のことを中国では「神道教」と呼ぶことが多いが、それに対して抱く違和感はまた別。
*7:See eg. http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060926/1159247298 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071027/1193464243 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071112/1194873628 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080617/1213666650
*8:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080610/1213038463
*9:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070510/1178806929
*10:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080817/1218939934 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090224/1235449886 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090226/1235674700