これも隈研吾!

大井浩一*1「そこが聞きたい 村上春樹文学の拠点 早大国際文学館長 十重田裕一氏」『毎日新聞』2021年5月4日


10月開館予定の「早稲田大学国際文学館(通称・村上春樹ライブラリー)」*2について。
隈研吾*3のデザインなのか!


――建築家、隈研吾さんの設計で既存施設を改修した地下1階・地上5階建ての建物は、板状の木を曲線状にくみ上げた入り口の「トンネル」や木製階段など、斬新で温かみのある姿に生まれ変わりました。
地下1階から地上2階までは、学生なども利用可能なスペースです。1階のギャラリーラウンジには村上作品の初版本を展示するほか、手に取って読める本も約2000冊用意します。メイン階段の左右の本棚にはその時々のテーマで本を並べ、地下1階には「村上さんの書斎」を再現します。レコードなどの音楽を聴けるオーディオルーム、録音スタジオ、学生が運営するカフェも設けて、幅広い文化交流の場にしていきたい。

――寄託・寄贈された資料はどのように活用しますか。
1万点以上もの資料を既に受け入れ、整理を進めているところです。村上作品は50言語以上に翻訳されていますから、それらの本、さらに各国での諸表などを集めた多くのスクラップブックもあります。他にレコードのコレクションも1万枚以上に上ります。膨大なので開館までに搬入は完了できないでしょう。まずは責任を持って資料をきちんと保管するのが、研究機関としての役割です。早大では出身作家らの直筆原稿を収集する計画も先行していますが、村上ライブラリーとしては、整理が終わった資料から関係者の了解を得たうえで徐々に研究者向けに公開し、一部は展示もしていくことになると思います。

――国際的な研究・交流拠点として、どんな活動をしますか。
村上文学だけでなく、世界各地の日本文学や翻訳文学の研究者に来てもらい、講演やシンポジウムを開いていきます。既に日本と中国、米国の3人の若い研究者が村上ライブライリーの助手・助教に就いています。私と旧知の日本文学研究者、ロバート・キャンベルさん(東大名誉教授)*4早大特命教授・村上ライブラリー顧問に招き、一緒に議論を重ねています。