『朝日新聞』(『ハフィントン・ポスト』)の記事;
先ず記事に添えられた写真がショッキングだった。何処の寺尾聡かと思った。ここ数年間で飛躍的に老いが深化したんじゃないか。
2018年11月05日 08時18分 JST | 更新 2018年11月05日 08時18分 JST
村上春樹さん、早稲田大学に自筆原稿やレコードコレクションなどを寄贈
「僕には子どもがいないので、僕がいなくなったあとに散逸するのも困るなと思っていた」朝日新聞社提供
作家の村上春樹さん(69)は4日、東京都内で記者会見し、自筆の原稿や書簡、レコードなどの所蔵資料を母校の早稲田大学に寄贈すると発表した。早大は将来的に、国内外の村上文学の研究者が資料を活用できる研究センターをキャンパス内に作ることを目指す。村上さんが国内で会見に臨んだのは37年ぶりという。
村上さんは1975年に早大を卒業した。寄贈するのは原稿や書簡、蔵書のほか、自身の作品に関する書評や2万点近くに上るレコードのコレクションなど。「ノルウェイの森」を執筆した際の大学ノートなども含まれる可能性があるという。レコードなど今も使っているものもあることから、寄贈は来年度から段階的に始め、一部は寄託しておく形をとる。
「40年近く小説家として書いてきて資料がたまり、床がおかしくなるくらい置ききれなくなってきた」ことから、4〜5年前から寄贈を検討し始め、今年3月から母校と協議を始めて合意に至ったという。「僕には子どもがいないので、僕がいなくなったあとに散逸するのも困るなと思っていた」
(朝日新聞デジタル 2018年11月04日 22時03分)
https://www.huffingtonpost.jp/2018/11/04/haruki-murakami_a_23580177/
まあ、こうしたかたちで、作家の(作品だけじゃなくて)その素材となったもの、関連資料がまとまって公共化されるのはいいことだと思う。英国にはacceptance in lieu(AIL)という作家などの関連資料を国家に寄贈するかわりに遺族は相続税の減免を受けられる制度があるけど*1、そのような制度の創設を含めて、関連資料の保存・公開問題が議論される作家は出てくるのだろうか。たしか、大江健三郎は創作ノートの類は自らの死後破棄せる旨を表明していた筈*2。
ところで、村上春樹の原稿を密かに売り払っていたことが死後発覚した安原顕*3の母校も早稲田だった(但し中退)。
*1:See eg. Mark Brown “JG Ballard archive acquired for British Library” http://www.guardian.co.uk/books/2010/jun/10/jg-ballard-archive-british-library http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100613/1276455759 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100621/1277100760
*2:See 大江健三郎、尾崎真理子『大江健三郎 作家自身を語る』。