古代の台湾?

岡本隆司*1『物語 江南の歴史』から。
建康(現在の江蘇省南京)に拠った「東晋*2について。


建康を本拠にした東晋は、あくまで亡命政権であり、その姿勢・立場をとりつづけた。「五胡」に奪われた中原の回復を国是とし、移民たちも一時避難のつもりである。政権は来るべき失地回復、故郷帰還を期する意味で、移民たちを別の戸籍にあて、正規税役の対象からも外し、北人優位の体制を確立した。(p.56)
このパラグラフの前半部、「「五胡」に奪われた中原の回復」を、中国共産党に奪われた中国大陸の回復と書き換えれば、中華民国、台湾の国民党政権になる。
また、

東晋は当初、流亡政権として中原の回復と統一王朝の再建をめざした。けれども素志かなわず、四世紀半ば以降、次第に江南に定着した現状・既成事実を認め、それにもとづく制度を作りはじめる。(p.65)
そういえば、中華民国の国民党政権も(東晋と同様に)南京を首都としていたのだった。