陰謀の有無

「死後もなお「財務省陰謀論」を垂れ流し続ける安倍晋三の害毒(呆)」 *1に、森岡航平「安倍氏財務省の策略の可能性ゼロではない」 回顧録で森友事件語る」という『朝日新聞』の記事*2のサワリが引用されている;


憲政史上最長の8年8カ月にわたり政権を担った安倍晋三元首相が「安倍晋三 回顧録」(中央公論新社)で、森友学園の国有地売却問題について「密かに疑っている」と前置きしたうえで「私の足を掬(すく)うための財務省の策略の可能性がゼロではない」と語っていることが明らかになった。

 回顧録安倍氏が首相を退任後の2020年10月~21年10月、読売新聞特別編集委員橋本五郎氏らが18回、計36時間行ったインタビューを中心に構成され、6日に店頭で発売された。

 森友学園への国有地売却をめぐる問題について、安倍氏は「籠池泰典学園理事長という人物に一度も会ったことがないので、潔白だという自信があった」と自身の関与を否定。「財務省の策略」の可能性に言及し、「財務省は当初から土地取引が深刻な問題だと分かっていたはずだ。でも、私の元には、土地取引の交渉記録などは届けられなかった。森友問題は、マスコミの報道で初めて知ることが多かった」としている。

これは大変なことじゃないだろうか。よりによって、邪悪なちんぴら国家の謀略組織などではなく「財務省」という中央官庁が時の最高権力者を「策略」によって陥れようとしたわけだよ。財務省には、安倍晋三への忠義を貫いて出世した佐川宣寿*3のような人もいるわけだけど、これなども安倍晋三を欺くためのマヌーヴァーだったというのだろうか? 今は総務省高市早苗の問題で忙しいだろうけど、これが一段落したら、是非国会で十分に吟味すべきだろう。勿論、安倍晋三の死霊の召喚も可能な限り努力しなければならない。
ところで、これを語っているときには、安倍晋三はやがて山上徹也なる統一協会信者の息子の手製の銃で撃たれることなど知らなかったことになる。中川久定『自伝の文学』*4によれば、基督教文化圏において「自伝」とは最後の審判の際の自己弁明のリハーサル的な意味が与えられていた。日本文化に当て嵌めてみれば、閻魔大王の前で言えるかどうかということになるだろうか。安倍晋三は「財務省の策略」を語っている最中に閻魔大王のことを意識したのだろうか。