GF of Japan

岩永直子*1「 なぜ知的障害がある青年が「精神錯乱」として取り押さえられ、命を失わなければならなかったのか? 支援団体が警職法の改正を提言へ」https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/kenta-yasunaga-keishokuhou


2007年9月25日、佐賀市内で、「知的障害」を持った安永健太という青年が警察官に組み伏せられ、病院に搬送され、死亡するという事件が起きた。


健太さんは、仕事から家に自転車で帰宅途中、佐賀市内のバイパス道路で、パトカーに乗った警察官に不審者と勘違いされた。

後ろからパトカーの大音量のマイクで注意され、サイレンまで鳴らされ、停止を求められた。

健太さんはびっくりしたのか、スピードをあげて走り、赤信号で停車中の原付バイクに追突。自転車から投げ出されて道路に転倒した。

警察官二人が駆けつけ、「ウー、アー」としか言葉を発することができない健太さんを歩道に組み伏せた。応援を受けて後から駆けつけた警察官一緒に5人がかりで健太さんをうつ伏せにして押さえ込み、後ろ手に手錠をかけた。

健太さんは心臓が停止し、救急搬送された病院で死亡が確認された。

警察側の言い分は「錯乱状態になっていたので保護」したというものだった。後の裁判でも、「警察の停止要請に従わず「アー、ウー」などの言葉しか発しない状態が「精神錯乱」と認定され、警察官が後ろ手に手錠をかけて取り押さえ死亡までいたらしめた行為は正当な公務執行として認められた」。しかし、実際は

「目撃者の話によると、車道から歩道に投げ飛ばされるような取り押さえ劇があったようです」

「いきなり取り押さえられたら言葉も出ずに、アーとかウーとか悲鳴しか上げられなかったのでしょう。落ち着いて話したら、ポツン、ポツンと話す子です」

ということであったらしい。
この話を読んで想起したのは、やはり警官に抑え込まれ窒息死したミネアポリスの黒人青年、ジョージ・フロイド*2のこと。彼の理不尽な死を契機に、Black Lives Matrer運動*3が爆発し、米国のみならず世界を揺るがせたのだった。