Nishiura Speaks

西浦博氏*1語る(4月9日);



岩永直子*2「「大阪、兵庫はすぐさま『緊急事態宣言』をうつべき」 8割おじさんが懸念する背筋の寒くなる大流行」https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nishiura-20210409-1
岩永直子「緊急事態宣言「効果はあったが減らし切れなかった」 もったいない政策を繰り返していいのか?」https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nishiura-20210409-2
岩永直子「「五輪のリスク議論、タブー視するな」 予防接種は年末まで届かない覚悟で対策を」https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nishiura-20210409-3


3本目の記事から、「オリンピック」に言及している部分を切り取っておく;


ーーこの状況でオリンピックを開催することは非現実的なのではないかと考える人が増えていると思います。どう考えますか?

専門家として、これまでオリンピックは政治問題だと言及を避けてきましたし、尾身先生も国会に呼ばれた時に専門家として言うべきではないと答えてきました。

ただ、これからの感染対策を考えると、オリンピックは「マスギャザリングイベント」であり、人が大勢動き接触する機会を作るイベントになります。

高齢者の予防接種は残念ながら夏までには達成されないでしょう。でも来年の夏だったら遅れても接種できているのではないかと思います。

今焦ってこの大規模イベントをやる必要があるのか、みんなで考えた方がいい。少なくとも議論をしてもらえないでしょうか。オリンピックの決定が、密室でいいのかなと正直思います。

オリンピックの当事者は、本当は選手ですね。僕もマラソンが大好きですし、選手の本当のピークの年齢が3年続くわけではないとも思います。

でも、その人たちの合意が得られるのであれば、今目の前にあるリスクを減らす決断をするには、最後のチャンスに近づいているのではないでしょうか?

もし無茶をして突入しようとしているならば、いろんな方面からみなさんが声をあげて、考えを改めてもらう必要があるのではないかと思います。十分にリスクを検討しただろうか。そろそろ公の場でも僕も話そうと思っていました。


ーー全国的な移動だけでなく、海外からも移動があるのがオリンピックなわけですね。

海外からのお客さんは来ないですが、選手はきますし数多くの関係者もきます。

国内でチケットを買っている知り合いもたくさんいますが、その人たちも動きます。長距離の移動は接触しないまま移動するのは無理です。

この感染症が昔、中国の武漢にしかなかったのになぜ今世界中に広がっているのか、もう一度思い出してほしいと思います。

「人が移動することで感染症がうつるわけではない」というのは究極の詭弁だと思っています。