カクテルは駄目?

朝日新聞』の記事;


ワクチン混ぜて予防接種 品川のクリニック

斉藤純江

2017年5月18日08時21分


 品川区は16日、予防接種事業を委託していた「ケルビムこどもクリニック」(東五反田5丁目)で、複数のワクチンを一つの注射器に混ぜて接種していたと発表した。

 区によると、記録の残っている2012年4月から今年4月までの約5年間に、358人が誤った方法で接種を受けた可能性があるという。同クリニックでは、MR(麻疹・風疹ワクチン)、水痘(みずぼうそう)ワクチン、おたふくかぜワクチンの3種を混合した接種や、4種混合ワクチンとヒブワクチンを混合した接種を、09年4月から実施していた。健康被害の報告はないという。
(後略)
http://www.asahi.com/articles/ASK5L2RBBK5LUBQU00J.html

反ワクチン主義者はやった! と思ってるんだろうね。
これに関して、


岩永直子「ワクチン勝手に混ぜて接種は危険なのか?「混合液には未知の副作用も」」https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/mazeruna


曰く、


子供の予防接種に詳しい長崎大学小児科(感染症)の森内浩幸教授によると、同時に複数のワクチンをそれぞれ3センチ以上離れた場所に打つ「同時接種」は問題ないが、あらかじめ混ぜて打つことは、未知の副作用や効果の低下につながる恐れがあるという。

「例えれば、居酒屋でビールやワインや焼酎をそれぞれ飲むのには問題がないと思いますが、あらかじめ全て混ぜてから飲むと全く違う、気持ち悪い飲み物になってしまうようなものです」

「ワクチンは腐るのを防いだり、性質を安定させるために、厳しい成分管理の下、様々な条件を揃えて作られ、膨大な人数の臨床試験(治験)や市販後の調査で安全性や有効性を担保しています。ところが、混ぜると酸性度や浸透圧などに何らかの変化が加わる可能性があり、全くデータのない混合物を使うことになります」

「いくら一人の医師が数百人、数千人の接種経験があったとしても、然るべき手続きを踏んで検証されていない状態で人に打てば何が起こるかの保証はない。薬液のバランスが崩れれば、大多数に問題がないとしても、ある特殊な体質の人には副作用が出る可能性もあり、勝手に混ぜて使うことは絶対に避けなければなりません」

とてもわかりやすい喩えであり、一般論としては妥当なのだろう。しかし、誤解も招く。最初の記事でも言及されている「4種混合ワクチン」や「3種混合ワクチン」*1のように安全性が確認されている「混合ワクチン」も存在するので、少なくとも上で挙げられているような「MR(麻疹・風疹ワクチン)、水痘(みずぼうそう)ワクチン、おたふくかぜワクチン」の「混合」や「4種混合ワクチンとヒブワクチン」の「混合」はその効果や安全性が「然るべき手続きを踏んで検証されていない」ということなのだろう。