送るのではない

承前*1

池江璃花子が頼るなべおさみの「手かざし」とは一体何か」https://www.news-postseven.com/archives/20190905_1446087.html


曰く、


コメディアンのなべは、ワイドショーの『ルックルックこんにちは』(日本テレビ系)の「女ののど自慢」の司会を担当するなど、一時はお茶の間の顔といわれる存在だった。しかし、1991年、息子の大学入試で替え玉事件を起こし、芸能活動を自粛。

 復帰後は、芸能界とは異なる分野の活動を活発化させていた。2015年に出版された自著の『昭和の怪物 裏も表も芸能界』(講談社)には、2006年に胃がんのため胃の全摘手術を受けた王貞治さん(79才)に「手かざし療法」を施した様子をこう綴った。

《手当は簡単です。王さんに手を当てがい、ここからは説明は不可能です》(『昭和の怪物 裏も表も芸能界』より、以下《》内同)

 なべの説明によれば、施術では手をかざしながら、《よーし、見つけたぞ、隠れるな隠れるな》《こっちにおいで。私の中で仲良く生きよう。大丈夫殺しゃしないさ、さあおいで!》などと相手の体に語りかける。

 すると相手の「病の気」がなべの体に移るという。

《私に助けられた人の気が、私に移ってくるから、本人は肉体の回復をみるのです。が、その分、私は私の体に移った病の気の為に、しばらくの期間は苦しみます。だからその間に健康診断など受けようものなら、途端にアウトです。初めて公にしますが私は今日まで、六度のガン告知を受けています》

 つまり相手のがんを、なべが「引き継ぐ」というのだ。

王貞治*2も、客観的には「胃の全摘手術」によって助かったわけだろうけど。それはともかくとして、凄いことだと思う。今引用した部分の後に、「宗教問題に詳しいジャーナリスト」による「手かざし療法」の解説が出てくるのだけれど、この人はなべおさみの凄さに気づいていないようだ。なべおさみが「手かざし」をやるということで、どういう系統に属するのか? と訝っていたのだ。普通「手かざし」というと、中国的な気功*3にしても、日本の真光系の「手かざし」にしても、屡々〈気〉と呼ばれるようなものを「手かざし」によって相手に送るということになっている。しかし、なべおさみの場合は、〈気〉を相手に送るのではない。逆に、「手かざし」によって、相手の悪しき〈気〉を吸収してしまう。これはかなりユニークなんじゃないかと思った。彼が何時誰からこういう「手かざし」を学んだのかは知らない。