土曜日のこと

先週の土曜日のことを記す。
先ず東画廊*1の『莘庄 五個青年的故事』のオープニング。これはかつて上海南部の莘庄地区・申南二路のアトリエで共同生活していた5人のアーティスト、陸天洋、蘇暢、張晶、張小川、張雲垚のグループ展。5人はそれぞれ全く異なった作風というか美的関心を有している。陸天洋は具象画とインスタレーションによって姓名の儚さを表現し、張雲垚は希臘神話にインスパイアされたインスタレーション。蘇暢は立体作品によって上海のうらぶれた住宅街を表現し、 張小川はヴィデオ・アートによって都市における孤独を表現する。いちばん衝撃的だったのは張晶の瓶詰めにした〈幼児性〉を描いた一連の絵画作品。

それから、バスで外灘へ。上海国際文学節(Shanghai International Literary Festival 2011)*2のPankaj MishraとIan Johnsonの対談(司会はJeffrey Wasserstrom)*3を聴きに行く。Ian Johnson氏は現在はフリーだが、かつてWall Street Journal時代に法輪功報道によってピュリッツァー賞を受賞したことがある。トークの方は印度及び中国の宗教事情についての基本についての再確認という色彩が強かったのだが、幾つか印象に残ったトピックをメモしておく。ニュー・デリーにおけるヒンドゥー教テーマ・パーク(Hindu version “It's a Small World”)の出現。Disneyfication of Hindu(Jeffrey Wasserstrom)。中流階級印度人へのCalifornia-version Buddhismの浸透(Pankaj Mishra)。また、中国中産階級における気功から瑜伽へのシフト(法輪功は瑜伽によって乗り越えられた?)(Ian Johnson)。また、儒教ナショナリズム、「国学熱(National Studies boom)」*4について(Ian Johnson)等々。
会場にて、Jeffrey Wasserstrom氏とIan Johnson氏の本を買う;


Jeffrey Wasserstrom China in the 21st Century: what Everyone Needs to Know, Oxford University Press, 2010

China in the 21st Century: What Everyone Needs to Know

China in the 21st Century: What Everyone Needs to Know

Ian Johnson Wild Grass: Three Portraits of Change in Modern China, Vintage, 2004
Wild Grass: Three Stories of Change in Modern China (Vintage)

Wild Grass: Three Stories of Change in Modern China (Vintage)