橋燃やし

オナ禁でモテる理屈の論理的考察を試みた」https://www.kobukurose.com/entry/love1


曰く、


はてなブログで他のブロガーが書くブログをよく読んでいるのだが、最近、というか結構前から「オナ禁」に言及した記事をよく見かける。中には「オナ禁」のみに焦点を当てた「オナ禁特化ブログ」もあるほどだ。

そういう記事にはきまって「オナ禁で彼女ができました!」「肌が綺麗になりました!」みたいなメリットの報告がされているが、それって本当なんだろうか。

そうなんだ! 遺憾ながら、そういうblogを読んだことはない。要するに、「オナ禁」はブームということなのね。
さて、「肌が綺麗になるのはともかく、オナ禁がモテに結びつくとは考えにくい」という。たしか昔宮台真司氏がセックスをすると肌がすべすべになると言っていたような気がするけれど、その真偽はともかくとして、その場合でも、お肌がすべすべになるのはセックスの効果であってオナニーの禁止ではなかった。私見によれば、オナニーを止めたからって「肌が綺麗にな」るとは思わないけれど、「オナ禁」すると「モテ」るようになるというのはけっこう納得できることだ。
一言で言うと、それは退路を断つことの効果だといえる。近親相姦の禁止(インセスト・タブー)の意味については様々な議論がある。社会的な意味ということでは、異性の自家消費が禁止されることによって、人間は他の氏族や部族といった外の人間との社会的コミュニケーション(交換関係)に開かれるわけだ。或いは、もっと一般的に言って、自給自足が否定されることによって、市場経済が開かれる。オナニーというのは究極の自給自足といえるだろう。自らの手によってエントロピーを解き放つことはできない。(異性であれ同性であれ)あなたのエントロピーを解き放つことができるのは他人だけなのだ。そのとき、あなたの意識と身体は既に他者へ開かれているわけだ。
さて、鎌田東二氏の倫理的或いはスピリチュアルな立場からの「オナニー」批判は、(賛成するにせよ反対するにせよ)このような功利的な「オナ禁」などよりも遥かに重要な問題を提起しているのだが、今それを検討している暇はない(『「呪い」を解く』*1、pp.177ff.、311ff.)。
「呪い」を解く (文春文庫)

「呪い」を解く (文春文庫)