どんな比喩

メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン*1の主人公たるモンスターには名前がない。「フランケンシュタイン」とはモンスターを作った科学者の名前。しかし、後世「フランケンシュタイン」が怪物の名前と見做されるようになる。作者の名前によって作品を意味してしまう。これは比喩としてはどういうものなのだろうか。近接の意味作用(例えば、口が悪いによって、〔口に隣接する〕言葉が悪いを意味する)、部分/全体の意味作用(例えば、〔部分である〕赤門によって、〔全体である〕東大を意味する)、トポスの意味作用(例えば、中南海によってか、〔そこに所在する〕中国政府を意味する)と同様の換喩(metonymy)でいいのか?
ところで、このように作者名によって作品名を置き換えてしまう比喩はほかにあるのだろうか。企業名が具体的な商品名に取って代わってしまうということはよくある。具体的には車名は沢山あれど、押並べて「トヨタ」の車と呼ばれるとか。