禁止された「アウティング」 - Living, Loving, Thinking, Again

村上友里「被差別部落の地名公開はプライバシーの侵害　出版禁止など命じる判決」https://www.asahi.com/articles/ASP9W55PFP9TUTIL00C.html

簡潔な要約として、以下のツィートを引用しておく。
川口泰司（つばめ次郎）氏*1曰く、

朝日新聞の北野記者が今回の判決のポイントを分かりやすくまとめて連ツイしてくれています。

示現舎の部落アウティング行為を正当化しようとする主張がことごとく判決で否定され、原告らの部落差別の現実を踏まえた主張が判決に盛り込まれていることが分かります。 https://t.co/zohD4Bgtg2
— 川口泰司★つばめ次郎 (@bluehearts2016) 2021年9月28日

北野隆一氏*2曰く、

１）被差別部落地名リストの出版やネット公開は差別を助長するとして部落解放同盟と被差別部落出身者が出版社を提訴した訴訟で東京地裁は判決で「公開は公益目的でない」と違法性を認め出版禁止や削除を命じました／被差別部落地名公開はプライバシーの侵害：朝日新聞デジタル https://t.co/8fDXFgUZpW
— 北野　隆一 (@R_KitanoR) 2021年9月28日

２）川崎市の出版社は戦前の「全国部落調査」復刻版販売を告知しネットに地名リストを掲載。判決は被差別部落の地名公開で原告が結婚や就職で差別や中傷を受けるおそれを指摘。「損失は深刻で回復は著しく困難」と述べました／被差別部落の地名公開「違法」：朝日新聞デジタル https://t.co/ye022seFgN
— 北野　隆一 (@R_KitanoR) 2021年9月28日

３）地名リストは個人情報ではないが、個人の住所や本籍と照合すれば部落出身者とわかるため、リスト公開は個人の住所や本籍公開と同様のプライバシー侵害と判決は認定。「部落差別の事件で初の画期的判断」と原告側／記者解説）部落問題、司法の判断は：朝日新聞デジタル https://t.co/jG2jl7PhIp
— 北野　隆一 (@R_KitanoR) 2021年9月28日

４）被告は「公開禁止は学問の自由の侵害」と主張したが、判決は「社会的に正当な関心事と言いがたい」と判示。被告は掲載中止を東京法務局から「説示」されており「地名公開がプライバシー侵害と認識できた」と判決は認定／地名公開はプライバシー侵害：朝日新聞デジタル https://t.co/8fDXFgUZpW
— 北野　隆一 (@R_KitanoR) 2021年9月28日

５完）判決はプライバシーや名誉権侵害を認めた一方、原告が主張した「差別されない権利」の侵害は否定。自ら出身を名乗り活動している原告についてはプライバシー侵害を認めず、6県分を出版禁止の対象外としました／「差別なんてない」主張にえぐられた心：朝日新聞デジタル https://t.co/66qEV98RFQ
— 北野　隆一 (@R_KitanoR) 2021年9月28日

「判決主文」は、

https://www.stop-burakuchousa.com/siryo3/1352/

21世紀になって、「アウティング」*3という言葉が一般化することによって、問題の在り処を理解することが容易になったということはいえる。
See also

北野隆一「「部落差別を助長」　解放同盟側、出版社に地名削除要求」https://www.asahi.com/articles/ASN9X6SVGN9SUTIL02N.html