CgraSS statement

承前*1

一橋大学ロー・スクールの院生が同級生による「アウティング」を苦にして自らの命を絶った事件を巡って;


本学法科大学院における事件の報を受けて

 昨年8月に、一橋大学法科大学院に所属する学生が自らの性的指向を同級生に暴露され、大学からの適切なサポートを得られずに自死するといういたましい事件が起こりました。 亡くなられた前途ある学生に心から哀悼の意を捧げますと共に、ご遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げます。

この件については教授会等でもまったく報告されておらず、ほとんどの教員は8月5日の報道により初めてこれを知ったところです。ジェンダー社会科学研究センター(CGraSS)は、本学におけるジェンダー研究・教育を推進するため、2007年に社会学研究科付属研究センターとして創設され、その後、全学的な教員の参加を得て、今年度10周年を迎えました。この間、CGraSSでは公開講演会の開催等を通じて、セクシュアル・マイノリティへの理解を促す活動を積極的に進めてきました。また、本学ではセクシュアル・マイノリティを対象に含めたハラスメント・ガイドラインを制定しています。

それだけに、事件の報を受け、わたしたちは深い悲しみと怒りを感じています。自死に至った学生の苦悩とご遺族のお気持ち、また、この報道に接した学生の皆さんが感じているであろう恐怖や不安を思うと、やりきれない気持ちでいっぱいです。

今回のことで不安をおぼえている学生の皆さん、CGraSSは全力であなたたちをサポートします。本件に関して大学当局が誠実に対応するよう求めるとともに、このようなことが再び起こることのないよう、相談業務をはじめとするサポート体制の点検を行い、誰もが安心して学業・研究生活をおくることのできる大学づくりのために尽力していく所存です。一人でも多くの皆さんがこの輪に加わってくださることを願っております。

2016年8月9日

ジェンダー社会科学研究センター(CGraSS)
代表 佐藤文香社会学研究科)
研究部門総括 伊藤るり(社会学研究科)
教育部門総括 太田美幸(社会学研究科)
研究部門総括 貴堂嘉之社会学研究科)
財務・総務部門総括 坂なつこ(社会学研究科)
研究部門総括 森千香子(法学研究科)
共同推進者 クリスチーナ・アメージャン(商学研究科)
共同推進者 イ・ヨンスク(言語社会研究科)
共同推進者 井上間従文(言語社会研究科)
共同推進者 大河内泰樹(社会学研究科)
共同推進者 越智博美(商学研究科)
共同推進者 木本喜美子(社会学研究科名誉教授)
共同推進者 河野真太郎(商学研究科)
共同推進者 坂元ひろ子 (社会学研究科名誉教授)
共同推進者 柘植道子(学生支援センター)
共同推進者 ソニア・デール(社会学研究科)
共同推進者 中井亜佐子(言語社会研究科)
共同推進者 長塚真琴(法学研究科)
共同推進者 山田哲也(社会学研究科)
http://gender.soc.hit-u.ac.jp/news.html