神宮球場が「資材置き場」に

山口浩*1「資材置き場で野球場を占拠するとは」http://www.h-yamaguchi.net/2016/04/post-4937.html
神宮球場使えない五輪死ね!!!」http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160406/1459897175


朝日新聞』によると、


2020年東京五輪パラリンピック組織委員会は5日、主会場の新国立競技場に隣接する神宮球場(東京都新宿区)が大会の準備や運営に必要になるとして、同年に同球場を長期間にわたって借りる交渉を始めたことを明らかにした。関係者によると、期間は20年5月1日から11月末までの7カ月間。その間、同球場を本拠とするプロ野球のヤクルトのほか、東京六大学野球東都大学野球高校野球などの試合ができなくなる可能性がある。

 組織委の広報担当者は「期間も含め、具体的なことはこれから詰める。用途は先方にまだ伝えていない」としたうえで、「野球が追加競技に採用されたら会場として使うということではなく、機材置き場など、大会準備のために必要な場所と考えている」と述べた。今後、同球場を所有する明治神宮と交渉する。組織委幹部は、セキュリティー面も考慮しているとした。

 要望通りに実現すれば、野球界への影響は大きい。ヤクルトは今季の日程で計算すると、この期間は公式戦の約35%にあたる51試合が行われる。また、昨年のこの期間に神宮球場で実施された試合数は、プロ野球大学野球高校野球だけで約300試合だ。
http://www.asahi.com/articles/ASJ456WRWJ45UTQP025.html

ということだそうだ。
この年、スワローズは殆ど本拠地で試合ができなくなる。紐育のローカル・ティームたるヤンキーズやメッツが半年以上も本拠地を使えなくなるということになったら、紐育人たちはどう反応するのだろうか。
山口氏曰く、

競技に使うというならまだしも、「野球が追加競技に採用されたら会場として使うということではなく、機材置き場など、大会準備のために必要な場所と考えている」というのは実にふざけた話だ。そのために5月から11月までという、1シーズンまるまるを資材置き場のために使わせろということらしいが、野球ファンにしてみれば、こんな失礼な話はないではないか。これがあらかじめわかっていたら、招致の際の世論もいくばくかはちがっていただろう。

神宮球場ではプロ野球だけでなく、東京六大学野球東都大学野球高校野球なども行われる。オリンピック招致の際にはスポーツの裾野を広げるだの国民の健康増進だのといったお題目を掲げていたように思うが、他のスポーツの機会を取り上げて何がスポーツ振興か。こんな話を今さら持ち出すなどというのは、関係する人たちがまじめに取り組んでいないか業務遂行に必要な能力が不足しているか、あるいはわかっていて隠していたかのいずれかであろうと思う。いずれにせよ、「ふざけるな」以外の感想はない。

まあ、オリンピックをやるならお台場のようなウォーターフロントでやるべきで、神宮外苑でやることには疑問を持っていたのだけれど*2、これで反感はスワローズ・ファンだけでなく、「六大学」や「東都大学」の関係者にも拡がってしまったわけだ。とはいっても、俺は立命館大学だから関係ない! とか、私は高卒だから関係ない! と言われたら、そうですか、すみませんというしかないのだろうけど。
古寺多見氏は「東京ドーム」が嫌いなそうな。私も行く気はしない。「東京ドーム」ができる前に、蓮實重彦氏が「ドーム」それ自体を徹底的にdisっていたような気がする。そのように嫌いな人は少なくなかった筈なのに、何時の間にか、名古屋にも福岡にも札幌にも「ドーム」ができてしまった。そういえば、「ドーム」以前の後楽園球場の、特にファイターズの試合はのんびりしていた。スタンドの上部の陽が当たるところでは、当日出番のない選手がよく昼寝したりしていた。