SARL accused and expelled

Justin Weinberg “Searle Found to Have Violated Sexual Harassment Policies” http://dailynous.com/2019/06/21/searle-found-violated-sexual-harassment-policies/


カリフォルニア大学バークレー校哲学科は、彼が「セクシュアル・ハラスメントに対する大学のポリシーに違反した」として、ジョン・サールの「名誉教授」の地位を剥奪し、バークレーのキャンパスへの出入りを禁止した*1
ジョン・サール及びカリフォニア大学は2017年3月にサールのかつての教え子からセクハラを巡って訴訟を起こされ、さらに複数の女性に対するセクハラ、或いは「女性蔑視的」「人種主義的」な言動が暴露されていた;


Katie J.M. Baker “A Former Student Says UC Berkeley’s Star Philosophy Professor Groped Her And Watched Porn At Work” https://www.buzzfeednews.com/article/katiejmbaker/famous-philosophy-professor-accused-sexual-harassment
Katie J.M. Baker “UC Berkeley Was Warned About Its Star Professor Years Before Sexual Harassment Lawsuit” https://www.buzzfeednews.com/article/katiejmbaker/john-searle-complaints-uc-berkeley
Claire Newfeld “#MeToo and John Searle, a Year Later” https://medium.com/@Clairizona/metoo-and-john-searle-a-year-later-29959a5e3375


因みに、SARLというスペリングについては、ジャック・デリダ有限責任会社、abc」*2を参照のこと。

現代思想1988年5月号?臨時増刊 総特集 デリダ・・・ 言語行為とコミュニケーション

現代思想1988年5月号?臨時増刊 総特集 デリダ・・・ 言語行為とコミュニケーション

今年も再燃

BIGLOBEニュース編集部「小5女子に体操着の下の肌着・ブラ禁止 汗で風邪引くと禁じる小学校の校則が物議「性的虐待では」」https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0518/blnews_180518_3785777464.html


5月の記事だけど、実はこの問題、昨年の5月にも話題になっていたのだった;


朝日新聞「体操着の下の肌着は禁止。小学校の校則に疑問の声」https://www.huffingtonpost.jp/2018/05/31/no-undershirt_a_23448324/ *1


「汗をかいてそのままにしていると風邪を引く」という理屈だけど、そういうのは、替えの下着を持参すれば解決するわけだ。
ところで、昨年の朝日(『ハフィントン・ポスト』)の記事の最初の方には、6月1日付の記事なのだけど、「運動会シーズンが本格化するなか」というフレーズがある。「運動会シーズン」が秋というのは既に昔の話なのか*2

何故「俗説」は維持されたか

Via https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2019/06/19/200148

山陽新聞』の記事;


セミ成虫の寿命1週間は俗説! 1カ月生存「証明」 岡山の高3 学会で最優秀賞
6/19(水) 13:01配信 山陽新聞デジタル


 「セミは地上に出てから1週間程度しか生きられない」というのは俗説で、実は1カ月くらい生きていることを、岡山県立笠岡高サイエンス部の3年植松蒼さんが独自の野外調査で“証明”した。調査の手法と結果を、5月に広島大で開かれた「中四国地区生物系三学会合同大会」で報告。高校生の部(動物分野)で最優秀賞を受賞した。

 調査手法は、捕まえたセミの羽に油性ペンで番号をマーキングして放し、後日、再捕獲を試みるというもの。植松さんは2016年の7月中旬から9月中旬にかけて、笠岡市内の住宅地や雑木林など4カ所でほぼ毎日、この調査を繰り返し、アブラゼミツクツクボウシクマゼミなど計863匹にマーキング。15匹を再捕獲し、4匹を再再捕獲した。

 植松さんは「なかなか再捕獲できず、調査の効率は非常に悪かった」と笑うが、調査の結果、アブラゼミツクツクボウシクマゼミの3種で10日以上の生存を確認。最長生存確認記録はアブラゼミが32日間、ツクツクボウシが26日間、クマゼミが15日間だった。

 植松さんは小学1年生のころから虫に興味を持ち、セミの鳴く時間帯や、雄と雌の羽化の時期の違いなどについて調べてきたという。セミの成虫の寿命の調査は「そもそもセミの死骸を夏の間に見かけることが少ないのはなぜか」と“短命説”に疑問を持ったことがきっかけだったという。

 合同大会の報告で、日本動物学会の研究者らから高い評価を受け、植松さんは「疑問を解決するために、自ら考えて取り組んだ点が認められたのでは」と喜んでいた。現在、調査の精度を上げるため、セミの鳴き声の波形を専用ソフトで解析して、個体をそれぞれ把握する手法の確立を目指している。

 植松さんは昨年8月、クマバチに寄生する南方系の昆虫「ヒラズゲンセイ」を広島県内で初めて発見。生息域が西に拡大していることを証明している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190619-00010002-sanyo-sctch

私も信じていた。「セミ成虫の寿命1週間は俗説」というのは1か月以上生きたアブラゼミが見つかったので、そうだろうとしか言えないだろう。しかし、疑問は残る。何故、「俗説」にも拘わらず寿命は1週間というのが信じられてきたのか? これには、あなたは蝉が1週間しか生きないと誰に教わったのか? という問題も含まれるだろう。大人がそう言っていたから。学校の先生がそう言っていたから。科学啓蒙記事にそう書いてあったから。etc.そして、その大人や学校の先生や科学啓蒙記事の著者たちは何故蝉が1週間しか生きないと信じたのか?

「国会議員のなかに放送大を知る人もいないのだろう」(寺脇研)

澤田晃宏*1「「放送大がなかったら心が折れていた」難関大中退の女子大生が抱く夢」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190619-00000028-sasahi-life


放送大学を巡って。


 文部科学省総務省が所管する通信制大学放送大学は1983年に開学した。教養学部のみの単科大学で、約8万4千人(学部)が在籍する。入学試験はない。授業はBSテレビやインターネットを介して行われる放送授業のほか、全国57カ所の学習センターやサテライトスペースで対面の面接授業がある。放送授業と面接授業を合わせ124単位以上修得し、4年以上在学すれば学士の学位を取得できる。

 開学から36年。変化もある。岩永雅也副学長はこう話す。

「本学の学生調査では、学生の入学目的は開学から長らく『大卒資格を得たい』がトップでしたが、最新の調査(18年)では『教養を身につけたい』がトップです。開学当初は入学者の約7割は高卒者で、大学進学を逃した人たちの機会を保障するセーフティーネットとしての役割が中心でしたが、現在は学部学生の約4割が四大卒以上。放送大学の役割も変わりつつあります」

2017年の澤田晃宏「元文科官僚・寺脇研さん「教育無償化に放送大学の活用を」教育改革に疑問視」というインタヴュー記事*2で、寺脇研*3曰く、

──安倍内閣は目下「人づくり革命」の柱として、選挙の公約にも掲げた高等教育・幼児教育の無償化を進めています。


 安倍政権の「改革」のような拙速な議論ではなく、腰を据えて考える問題だ。例えば高等教育の無償化は教育制度を変えずとも実現できる方法もある。放送大学の無償化だ。「いつでも、誰でも、どこでも学べる」大学として83年に開学した放送大は「文教行政最後のロマン」と称され、学生100万人を目指す壮大な計画だった。しかし現在の学生数はその1割に満たない。これを使わない手はないが、国会議員のなかに放送大を知る人もいないのだろう。

 国立大学だと入学金と授業料で卒業までの4年間で約250万円かかるが、放送大だと70万円程度で、予算も縮小できる。放送大の授業料は年額ではなく、履修科目に応じての授業料であり、納税者の理解も得やすい。こうした案が出てこないのも、場当たり的と感じる理由だ。

たしかネット上で突如放送大学をdisり始めて、実際の放送大学学長に窘められたというちぇんちぇーもいたのだった*4。また、(令和を結局見ることができなかった)花柳幻舟*5放送大学の卒業生。
ところで、放送大学だけではないけれど、通信制の学校には通学制にはない或る種の困難があるよね。

「負の循環」(宮本太郎)

宮本太郎*1「利便追求が生む負の循環」『毎日新聞』2019年6月12日


「商品はいつでも選び放題だが、人生の選択肢は驚くほど限らている」ことへの「違和感」。


この違和感の根幹には、消費の利便性が生活全般の自由を高めるのではなく、むしろその犠牲のもとに成立し、不自由さを補完してしまっている現実がある。より便利で安い消費のために、多くの人が限界に近い働き方をしている。
残業で帰宅時間が変わるから、宅配便を受け取れなくなる。低所得の非正規雇用が増えるから、家族を持つことも難しくなる。それでも宅配便は再配達され、コンビニエンスストアに行けば、いつでも安くておいしい単身者向けの総菜を買える。宅配便の再配達やコンビニの24時間営業など、消費の利便性を追求することが新たな不自由や困難を生み出し、さらに増やしてしまうという「負の循環」が起きているのである。
消費の自由は、米IT大手のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コム)などが提供する情報インフラと、至れり尽くせりの日本型サービス経済によって担保されている。だが、GAFAなどの「プラットフォーマー」(ビジネス基盤を構築。提供する事業者)が契約先の事業者を支配し、ウェブサイトの閲覧履歴などに基づく「ターゲット広告」で消費者の選好をコントロールしている面もある。

袖擦り合うも

『Jタウンネット』の記事;


「久しぶり。前世はあなたの夫でした」 男が女子高生に声かけ、三重で不審者事案
2019年6月20日 18時0分 Jタウンネット


決して笑いごとではないのだけれど、どうにもシュールに感じてしまう。世の中では、そんな「不審者事案」がたびたび浮上する。

いまインターネット上で注目を集めているのは、2019年6月16日、三重県伊勢市に現れた男の声かけ事案だ。いったい、どんな不審者だったのだろうか。

三重県警がウェブサイトで公開している不審者情報から、その詳細を見ていこう。


「むちゃくちゃ怖い」
事案が起きたのは、夕方16時ごろ。路上を歩いていた女子高校生に、20代くらいの男が、次のように声をかけた。

「久しぶり。前世はあなたの夫でした」

何か、ドラマやアニメを見た直後だったのだろうか。妙に芝居がかった言動である。

まったく笑い事ではないのだが、こうした発言だけを見ると、どこかシュールさを感じてしまう。もちろん、疑いの余地がないくらい不審ではあるが。

男は短い黒髪で、服装はTシャツに水色っぽい長ズボン姿だった。現場の近くにはいくつか高校があるので、その生徒を狙って声かけをしたのだろうか。

こうした男の言動に、ツイッターネット掲示板ではこんな反応が。

「前世の夫?いえ、迷うこと無き変質者です」
「実際言われたらむちゃくちゃ怖い」
「世の中いろんなこと思い付く奴いるもんだな・・・」

なお、三重県警の発表文では、「怪しい人に話しかけられても相手にせず、すぐにその場を離れましょう」といった対策も添えられている。
https://news.livedoor.com/article/detail/16650823/

袖擦り合うも他生の縁という諺もあるけれどね。
こちらは千葉県市川市。屋根の上の猫ならぬ屋根の上の死体。

警察署の屋根に男性遺体 千葉県警市川署
2019.6.19 22:03社会事件・疑惑


 19日午後3時ごろ、千葉県警市川署(同県市川市鬼高)の本庁舎の2階屋根部分に、30代くらいの男性が意識がない状態で倒れているのを、同署を工事している業者が発見した。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。同署は男性の身元の確認を急ぐとともに、死亡した経緯について詳しく調べている。

 同署によると、男性の持ち物にあった診察券の氏名が、同日午後0時半ごろに同署プレハブ棟で対応した男性の氏名と一致しているという。来署した男性は、目的の職員が別件の対応中だったため待っていたが、約10分後に「外に行く」と別の職員に声を掛けて外へ出たという。

 同署は庁舎内の防犯カメラを確認するなど、事件と事故の両面の可能性があるとみて、捜査を続けている。
https://www.sankei.com/affairs/news/190619/afr1906190095-n1.html

「義務化」はされず

塚谷裕一氏が危惧していた奴*1

毎日新聞』の記事;


ゲノム編集食品、表示義務化見送りへ
6/20(木) 17:18配信 毎日新聞


 遺伝子を効率良く改変する「ゲノム編集」の技術を使った食品を巡り、編集表示の義務化が見送られる見通しになった。消費者庁20日内閣府消費者委員会の食品表示部会(部会長=受田浩之・高知大教授)で「従来の農産物との違いを科学的に検証できず、義務違反の特定は困難」とする考えを示し、部会の委員から意見を聞いた。任意表示については検討し、8月末をめどに表示のあり方を公表する。

 消費者庁は席上、「義務表示のためには違反食品を特定し、罰則を科さなければ機能しないが、現時点では困難」などと説明。委員からは「消費者のため、任意でも情報提供の仕組みが必要」などの要望が出た。「任意表示によって『ゲノム編集でない』という表示がまん延しないような工夫が要る」という意見もあった。

 厚生労働省に対しては、ゲノム編集食品の届け出徹底を求める声が相次いだ。担当者は「事前の相談を受ける仕組みを設け、届け出を求めることを事業者に周知する」「届け出なかった事業者を公表することで一定の社会的制裁になる」と説明した。

 ゲノム編集食品を巡っては、外来遺伝子を入れる方法については遺伝子組み換え食品と同様に安全性審査の対象に含め、元々ある遺伝子を改変するだけの場合は対象外として届け出のみとする方針を、厚労省の審議会がまとめた。アレルギーなどの健康影響や成分変化などを確認して届け出るよう業者に求める。【岡礼子、阿部亮介】

 ◇ゲノム編集食品

 特定の遺伝子を切断したり、他の生物の遺伝子と置き換えたりして生物の性質を変える「ゲノム編集」の技術を使って品種改良された農畜産物や魚など。高血圧予防につながるとされる成分を多く含んだトマトなどが開発されている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190620-00000066-mai-sctch

また、昨年12月に出された、「ゲノム編集」技術を危惧する3学会共同声明;


日本哲学会理事会、日本倫理学会理事会、日本宗教学会理事会「ゲノム編集による子どもの誕生についての声明」http://jpars.org/archives/3775  

*1:「ゲノム編集食品解禁への危惧」『毎日新聞』2019年6月6日 Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/06/10/103326