何故「俗説」は維持されたか

Via https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2019/06/19/200148

山陽新聞』の記事;


セミ成虫の寿命1週間は俗説! 1カ月生存「証明」 岡山の高3 学会で最優秀賞
6/19(水) 13:01配信 山陽新聞デジタル


 「セミは地上に出てから1週間程度しか生きられない」というのは俗説で、実は1カ月くらい生きていることを、岡山県立笠岡高サイエンス部の3年植松蒼さんが独自の野外調査で“証明”した。調査の手法と結果を、5月に広島大で開かれた「中四国地区生物系三学会合同大会」で報告。高校生の部(動物分野)で最優秀賞を受賞した。

 調査手法は、捕まえたセミの羽に油性ペンで番号をマーキングして放し、後日、再捕獲を試みるというもの。植松さんは2016年の7月中旬から9月中旬にかけて、笠岡市内の住宅地や雑木林など4カ所でほぼ毎日、この調査を繰り返し、アブラゼミツクツクボウシクマゼミなど計863匹にマーキング。15匹を再捕獲し、4匹を再再捕獲した。

 植松さんは「なかなか再捕獲できず、調査の効率は非常に悪かった」と笑うが、調査の結果、アブラゼミツクツクボウシクマゼミの3種で10日以上の生存を確認。最長生存確認記録はアブラゼミが32日間、ツクツクボウシが26日間、クマゼミが15日間だった。

 植松さんは小学1年生のころから虫に興味を持ち、セミの鳴く時間帯や、雄と雌の羽化の時期の違いなどについて調べてきたという。セミの成虫の寿命の調査は「そもそもセミの死骸を夏の間に見かけることが少ないのはなぜか」と“短命説”に疑問を持ったことがきっかけだったという。

 合同大会の報告で、日本動物学会の研究者らから高い評価を受け、植松さんは「疑問を解決するために、自ら考えて取り組んだ点が認められたのでは」と喜んでいた。現在、調査の精度を上げるため、セミの鳴き声の波形を専用ソフトで解析して、個体をそれぞれ把握する手法の確立を目指している。

 植松さんは昨年8月、クマバチに寄生する南方系の昆虫「ヒラズゲンセイ」を広島県内で初めて発見。生息域が西に拡大していることを証明している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190619-00010002-sanyo-sctch

私も信じていた。「セミ成虫の寿命1週間は俗説」というのは1か月以上生きたアブラゼミが見つかったので、そうだろうとしか言えないだろう。しかし、疑問は残る。何故、「俗説」にも拘わらず寿命は1週間というのが信じられてきたのか? これには、あなたは蝉が1週間しか生きないと誰に教わったのか? という問題も含まれるだろう。大人がそう言っていたから。学校の先生がそう言っていたから。科学啓蒙記事にそう書いてあったから。etc.そして、その大人や学校の先生や科学啓蒙記事の著者たちは何故蝉が1週間しか生きないと信じたのか?