apesnotmonkeys*1「アメリカウナギ、日本に大量に流入か」https://apesnotmonkeys.hatenablog.com/entry/2023/12/29/230240
「稚魚 北中米から東アジアへ アメリカウナギ 輸入急増 ■ 取引実態不明 絶滅危機も」https://www.at-s.com/news/article/national/1370021.html
これらの記事を読むまで、「アメリカウナギ」という魚の存在を知らなかった。
Wikipediaに曰く、
共同通信の記事;
アメリカウナギ (Anguilla rostrata) は、条鰭綱ウナギ目ウナギ科ウナギ属に分類される魚類。体色には変異があり、オリーブグリーンに暗部が茶色のものから緑掛かった黄色に明灰色または白色の腹部を持っているものまでいる。透明度の高い水域産のウナギはタンニン酸成分を含んだ暗い水流産のものよりも明るい傾向がある。
淡水や河口に生息しており、産卵のためサルガッソ海へ向かうときのみそれらの生息域を離れて大西洋に入る。産卵は外洋で行われ、卵はそこで孵化する。メスは4百万もの浮遊性の卵を産み、産卵後は死亡する。卵が孵化すると初期段階の幼生はレプトケファルス幼生へと成長して北米大陸へ向かい、そこでシラスウナギに変態して淡水域に入り、性的成熟を迎えるまでに黄色いウナギへと成長する。
チェサピーク湾やハドソン川から北はセントローレンス川までの大西洋岸で見られる。メキシコ湾東部の河川系やさらに南の地域にも存在する。主に夜間に狩を行い、日中は水深がおよそ5-6フィートの岸に近い泥地・砂地・砂利の中に隠れている。甲殻類・水生昆虫・小型昆虫、そして恐らくは口に出来る水生生物ならば何でも食べる。
アメリカウナギは東海岸沿いの様々な地域で経済的に重要であり、その用途はシマスズキなどスポーツフィッシングの釣り餌や、食用である。成体前段階であるシラスウナギも捕獲され養殖用に販売されていたが、現在ではほとんどの地域で制限されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%AE
東亜細亜での需要を見込んだアメリカウナギの密漁は以前から問題になっていたんだね。
ニホンウナギ代替種急増 アメリカウナギ東アジアへ
2023/12/5(火) 16:44配信
ニホンウナギの資源量が減る東アジアの国・地域で、絶滅の恐れがあるアメリカウナギの稚魚の輸入量が近年急増していることが、中央大の白石広美研究員(保全生物学)らの調査で5日までに判明した*2。2022年は04年の80倍近くに上った。ニホンウナギの代替品になっていると考えられる。
日本が毎年、大量に仕入れている香港の輸入量が特に多い。このため香港を経由し日本でもアメリカウナギが出回っている可能性が高いという。白石さんは「漁獲や取引の実態に不明な点が多く、このままでは原産国で絶滅の危険度がさらに大きくなる」と指摘した。
白石さんらは日本、中国、韓国、台湾、香港の税関統計を分析。輸出国に生息するウナギの種類の情報を踏まえ、アメリカウナギの稚魚の輸入量を推計した。
これらの国・地域による輸入は04年に計約2トンだった。10年ごろから増加傾向が目立ち始め、21年には計約53トンに拡大。22年は計約157トンへと大きく膨らみ、世界に16種いるウナギの中で稚魚の国際取引量が最も多くなった。大部分が香港による輸入だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a16dc2c330e879dfe803577593763d63b5e07efd
2018年の記事;
アジア向けウナギ業者摘発 米司法当局、稚魚違法取引で
社会
2018年5月31日 9:51
米東部メーン州でアジア向けアメリカウナギの漁に長く携わり、「ウナギ漁の祖父」とも呼ばれる米国人業者が、大規模な稚魚の違法取引に関与したとして有罪判決を受けたことが分かった。米司法省当局者が30日、明らかにした。
絶滅が心配されているアメリカウナギ=米魚類野生生物局提供・共同
関係者によると、アメリカウナギは漁獲された稚魚の多くが中国に輸出され、養殖池で育てられた後、日本に出荷される。国際自然保護連合(IUCN)が指定した絶滅危惧種だが、需要が高まり価格が急騰したため密漁や違法取引が横行しており、ワシントン条約での国際取引規制などを求める声が強まりそうだ。司法省によると、この業者は、他の州で違法に漁獲された稚魚のシラスウナギ約55万ドル(約6千万円)相当を購入し、輸出しようとしていた。罪を認め、5月上旬に罰金1万ドル、禁錮6月などの判決を受けた。共犯として2人の男も有罪判決を受けた。
米国のシラスウナギ漁は、メーン州とサウスカロライナ州で許可を得た漁業者だけに認められている。米国外で漁獲されるニホンウナギやヨーロッパウナギの資源量減少を受け、稚魚の価格は1キロ当たり50万円近くに高騰しているという。
司法省は2015年秋から、米魚類野生生物局や各州政府などと特別チームを編成して密漁の摘発を強化。これまでに約20人を摘発し、密漁や密輸の総額は500万ドルに上る。〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31183620R30C18A5CR0000/
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090106/1231209075 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090108/1231418098 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090216/1234758392 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090314/1236958598 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090722/1248230929 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20091120/1258696685 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100213/1266035581 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100621/1277091830 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20101013/1286918062 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110718/1310962569
*2:中央大学広報室「税関統計データから絶滅危惧種・アメリカウナギの国際取引量増加を推定〜養殖用稚魚の東アジアへの輸入が急増、種の保存に危機感〜」https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2023/12/69007/