接待すればいい

金子賢一という方曰く、


うる覚え」や(「延々と」と書くべきところを)「永遠と」とするというのは実は殆ど見たことがない。ただ、そういうのと、「ゆう(言う・いう)」というのを同列で論じられるのだろうか。「ゆう」というのは確かに日本語の規範から逸脱した書き方だけど、それほど変な感じはしない。〈行く〉の場合は、いくでもゆくでも許容されている。じゃあ、何故「言う」ではいけないのか? 「ゆう」を「変な言葉遣い」と貶める人はこのことを誰もが納得できるように説得すべきだろう。
この金子発言をコアにした「「うる覚え」「永遠と」といった変な言葉遣いは、書き文字を知らず日常生活から『耳コピ』してるからなのではという話」というtogetterがあるのだけど*1、その中に「破綻」を「はじょう」と読む話が出てくる*2。錠前から類推すれば、「はじょう」になるよね。ところで、「消耗」や「残滓」は正しくは、それぞれショウコウザンシと念む。しかし、「毛」から類推されたショウモウや「宰」から類推されたザンサイが幅を利かせており、辞書でも「慣用」として認められている。さらに、「消耗」の場合は、shoumouと入力すれば一発で変換してくれるのに、shoukouと入力しても変換してくれない。まあ、国語辞典の編集委員をちゃんと接待しておけば、どんな「変な言葉遣い」でも「慣用」として記載しれくれるのだろう。
耳コピ」と表記のずれというと、やはり「女王」と「体育」だろうね*3
さて、岸政彦氏*4曰く、
たしかに、「ベッド」じゃなくて「ベット」と書く人は多い。「ベッド」でも「ベット」でも問題はないのだろうけど*5、「バック」と「バッグ」の混同は時に問題を引き起こす。ティーバッグとティーバック。ところで、昔ジャック・デリダのことを「デリタ」と一貫して表記していたTM君は元気なのだろうか。